第61章 魔修との遭遇

「師姉」

齊明は心配そうな表情を浮かべ、先ほどの師姉の身を挺しての救いを思い出し、胸が熱くなった。

もし師姉の呂清顏が命がけで助けてくれなかったら、齊明は今頃命の危機に瀕していたことだろう。

轟!轟!

吼!

その時。

齊明は近くから異変と獣の咆哮を聞いた。妖獸の気配だ。今は感傷に浸っている場合ではない。

というのも。

齊明は天啓鏡化身を通じて、大量の妖獸が天啓盛會を混乱に陥れ、多くの参加者を殺害しただけでなく、魔修と放浪修士の姿も確認していた。

状況はますます混沌としていた。

「出てこい」

唸!唸!

齊明は意識を集中し、右手を振ると、靈獸位にいた蝙蝠大妖と霍長青を呼び出し、自分の前に立たせた。

「ご主人様」

霍長青は礼をした。

「うむ」

齊明は頷き、「戦闘準備だ」

「承知しました」

霍長青は応えた。

「逃げて!!!」

前方から。

齊明は見覚えのある二つの影が、密集した森の中を必死に逃げ走るのを目にした。近づいてきて初めて分かったが、それは元鳳と蘇軽音だった。

彼女たちの後ろには。

数頭の妖獸が追っていた。

「運がいいな」

齊明は言った。「ちょうど私に出会えたというわけだ」

「元ねえさま」

蘇軽音が叫んだ。「前に人がいます」

「気にするな」

元鳳は叫んだ。「私たちは逃げるのよ。後ろの妖獸たちは先天武士でも太刀打ちできないわ。本物の修士でも来ない限り、必ず死ぬわ」

「はい」

蘇軽音は頷いた。

会話をしている間に。

彼女たちは齊明の前まで逃げてきていた。

そして。

互いの姿が行き交った。

「あの人...」

元鳳は数歩走った後、思わず振り返って見た。すると相手はその場に立ち尽くしたまま、まるで彫像のように動かない。元鳳は思わず叫んだ。「あなた、怖気づいているの?早く逃げて!あれは妖獸よ!私たちは凡人で、修行の道にも入っていない。妖獸に殺されてしまうわ」

錚!錚!

齊明は顔を上げ、前方から襲いかかってくる数頭の妖獸を見た。速度は決して遅くないが、彼は意識を集中し、功法を運転させ、霊力を青い剣気に変えて斬りつけた。

噗!噗!噗!!!

血しぶきが飛び散った。

一瞬のうちに。

襲いかかってきた妖獸は全て斬り殺され、首が胴体から離れ、死體が地面に叩きつけられ、土埃が立ち上った。