この数年、兄の霍遠との不和が多かったものの、霍青松は兄が実の父親を害するとは信じたくなかった。
「実は明らかだよ。お前の兄貴は私が本当に父親の蠱毒を解けると思って、父親に近づかせたくないんだ」
「それに……彼からは特別な気配を感じた。お前の父親の蠱毒と同じ源から来ているものだ!」
今や萧塵は強大な霊魂により、初歩的に神識力を使えるようになっていた。
彼の神識力の前では、地球上のいかなる気配隠しの術も無意味だった。
先日古海市で対峙した孔幹事は気配を隠すのが得意で、行動も隠密だったが、神識力の前では全く効果がなかった。
「どうしてこんな…畜生め、霍遠!」
霍青松は両拳を握りしめ、青筋を立てながら、すぐにでも霍家に乗り込んで霍遠を問い詰めたい衝動に駆られた。
しかし彼は分かっていた。霍遠には敵わない、霍家に行けば死ぬだけだと。