高層ビルの上で、萧塵、霍青松、孟小媛の三人が立って眺めていた。
この角度から、霍家の本邸の全景が一望できた。
霍家本邸の防御システムは、明月山一号別荘の防御システムよりも堅固で精密だった。
全方位の死角のない監視カメラの他、密かに多くの內勁武者が見張っていた。
霍家本邸に気付かれずに潜入するのは、並の人物には不可能だった。
やはり、霍家は江南省の三大財閥の一つだけあって。
「蕭さん、なぜここに来たのですか?」
霍青松は心の疑問を口にした。
霍家本邸の周りは別荘地で、すべて霍家の所有物だった。今立っているこの高層ビルも同様だ。
ここに立って霍家本邸の様子を観察できるが、それは意味がないように思えた。
「青松、先生には考えがあるはずよ。余計な質問はしないで」
孟小媛は霍青松より物分かりが良かった。