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第3編 第14章 威力

石碑の前。

多くの人々が筆と紙を持ち、「猛牛大力訣」の内容を書き写していた。滕青虎も隣から紙と筆を借り、同じように記録を続けていた。

「猛牛大力訣」は全部で二千字余り、滕青虎は腕力が強かったため、一気に一刻近くかけて二千字余りを全て書き写した。

「ん?なぜ前六段階の内容しかないんだ?」滕青虎はその大きな石碑を前後から隈なく見たが、石碑には「猛牛大力訣」の前六段階の口訣と心法しかなく、第七から第九段階は全くなかった。

「青山、青山」滕青虎は隣に向かって呼びかけた。

滕青山は目を閉じ、「猛牛大力訣」第六段階の内容を修行していた。手太陽經と手太陰經の一つ一つの経穴が、まるで誰かが指で強く押さえているかのように、しびれていた。経脈自体もしびれを感じていた。

一筋の內勁が、経穴の周りを渦を巻くように回っていた。

他の內勁は小虫のように、経脈を軽く噛み、刺激していた。

「この『猛牛大力訣』を創り出した先人は、本当に凄い。このような経脈を刺激し、強化する方法を思いついたとは!」滕青山は密かに感嘆した。

この內勁秘伝書には、周天の運行、経穴の刺激と経脈の強化、そして両手から內力を放出する方法が含まれていた。

この「猛牛大力訣」の內勁は両手から爆発的に放出されるため、十二正經の中でも「手太陽經」と「手太陰」の二つの経脈を主に修行する。この二つの経脈は二本の砲身のように、內勁という「弾薬」を轟かせる。

そのため、「猛牛大力訣」はほとんどの時間を、この二つの経脈の強化に費やす。

経脈が太く、強靭であればあるほど、より多くの內勁を放出できる。

「ん?」滕青山は目を開けた。「どうしたんだ、従兄?」

滕青山の経脈は完全に通っており、いつでも修行を中断できる。內勁が邪道に入る心配は全くなかった。

「青山、この『猛牛大力訣』は前六段階しかない。後の三段階が見つからないんだ」滕青虎は焦って言った。「この秘伝書の最初には九段階あると書いてあったのに、この石碑には前六段階しかない。石碑全体を前後から見たんだが」

滕青山は驚いた。「後三段階がない?」

自分はすでに六段階まで修行していたし、経脈の感覚からすれば、さらに先に進むことも可能だった。