第81章 皇子・地怨、九死に一生

キーン——

刀剣が衝突し、朱天篷は体全体が震えるのを感じた。胸の中に気が流れ込み、口角から鮮血が溢れ出し、十数歩後退してようやく止まった。

一方、彼を襲撃した地魔は何の影響も受けていなかった。

むしろ後者は手の大刀を振り、驚いたような邪悪な笑みを浮かべて言った。「意外だな、少しは実力があるようだ」

これを聞いて、朱天篷は目を細めた。相手が見せた戦闘力に動揺を覚えた。

真仙後期でありながら、以前倒した真仙大円満よりも強い。これは明らかに常識外れだった。

そう考えて、朱天篷は口を開いた。「お前は普通の地魔ではないな?」

この言葉を聞いて、その地魔は誇らしげに顎を上げ、言った。「我は地魔族の十三皇子、地怨なり!天庭の修士よ、この皇子の刀の下で死ぬ覚悟はできているか?」

話しながら、地怨は血に染まった大刀を口元に持っていき、紫色の舌を伸ばしてなめ、陶酔した表情を浮かべた。

その様子を見て、朱天篷の表情は完全に暗くなった。相手のその行為は、明らかな挑発だった。

「必ず殺してやる!」

その瞬間、朱天篷の脳裏にはそれだけの思いが浮かんだ。

そして、朱天篷はまだ僅かに痺れている右腕を振り、地怨を見つめて言った。「お前が地魔族の皇子なら、今日ここでお前を永遠に留めてやろう」

この言葉に、地怨は眉をひそめた。

朱天篷のその口調が気に入らなかった。相手が自分の実力ではなく、身分を重視しているように思えたからだ。

そう思うと、地怨の目の奥に冷たい光が走り、言った。「天庭の修士よ、お前は我を本気で怒らせた。死ね!」

言いながら、大刀を構え、雷霆のような速さで朱天篷に向かって斬りかかってきた。

それを見て、朱天篷は驚き、心の中で叫んだ。「なんという速さだ!」

同時に油断もせず、すぐさま青蓮歩法を発動して右側に避けた。

ドン——

大刀が地面に激しく打ち付けられ、瞬時に大量の土埃が巻き上がった。

その様子を見て、朱天篷は瞳を縮め、心の中で呟いた。「くそっ、チートじゃないか。速さも力も強すぎる。こんなの反則だ」

次の瞬間、土埃が裂かれ、地怨の五丈の巨体がその中から飛び出し、再び斬りかかってきた。

これに対し、朱天篷は今度は回避を選ばず、目に凶光を宿し、言った。「皇子だからって偉そうにするな。俺だって天蓬元帥だぞ!」

言いながら、朱天篷は九割の法力を長剣に注ぎ込み、まだ皮も剥けていない開天の一式を再び繰り出し、地怨と真正面から激突することを選んだ。

それを見て、地怨は軽蔑的な笑みを浮かべ、言った。「修士よ、それは自ら死を求めているようなものだ」

言いながら、地怨も法力を増強し、この一撃で朱天篷を殺そうとした。

瞬く間に、刀剣の距離は三尺を切った。衝突寸前、朱天篷の目に光が走り、口角が上がった。「馬鹿め!」

次の瞬間、青蓮歩法を発動し、朱天篷の姿は地怨の背後に現れた。

地怨は刀を収める間もなく、さらに先ほどまで必勝を確信していたため、この時は油断していた。

気付いた時には、背後の危機を察知し、刀を引いて防御しようとしたが、もう遅かった。

ドン——

大刀が地面に突き刺さり、土埃が巻き上がった。

次の瞬間、朱天篷の一撃が地怨の頭部を貫き、紫色の血が飛び散る中、痛みに満ちた叫び声が嘉谷全体に響き渡った!

「ああ……」

悲鳴が上がると、遠くの丘の上で金玉三人と激戦を繰り広げていた四人の太乙真仙の地魔たちは顔色を変え、一斉にこちらを振り向いた。

また、戦場にいた天河守軍と地魔族修士たちも手を止め、朱天篷のいる方向を見た。

清風が吹き、土埃が散った。

まず人々の目に映ったのは、地怨の五丈の巨体であり、次いでその頭部を貫き、紫色の血を滴らせる長剣、そして最後に朱天篷の姿だった。

しばらくして、戦っていた両陣営が我に返ると、丘の上の四人の太乙真仙の地魔将軍たちは声を震わせて叫んだ。「十三皇子様!」

言いながら、金玉三人を放置し、急いで朱天篷のいる場所へと向かった。

四人の地魔将軍の叫び声は金玉三人をも目覚めさせ、互いに目を見合わせると、それぞれの目に驚愕の色が浮かんでいた。

彼らは今回の戦役で、地魔族が皇子をここに派遣していたとは思いもよらなかったし、しかもそれが部下に殺されるとは。

突然、金玉は体を震わせ、声を上げた。「まずい、あの四人にあの若者を傷つけさせるわけにはいかない」

そして、金雲三人はもはや留まることなく、すぐさま歩法を使って戦場へと急いだ。

丘の上の動きは、朱天篷の目にも全て入っていた。

彼は四人の太乙真仙に挟撃されるのは避けたかった。すぐさま剣を抜いて逃げようとした。地魔族の皇子を殺したのだから、この件は簡単には済まないだろう。

しかし剣を抜こうとした瞬間、朱天篷の表情が一変した。何度か試みても失敗し、心中焦りながら呟いた。「くそっ、どうなってるんだ、なぜ剣が抜けない?」

どんな形態にも変化できるこの宝物を、朱天篷は失うわけにはいかなかった。

四人の地魔将軍が襲いかかってくるのを目の当たりにしながらも、彼は逃げ出さず、全力で剣を抜こうと試みた。

瞬く間に、四人の地魔将軍がこの区域に到着した。

まだその場に留まっている朱天篷を見て、四人の地魔将軍は激怒し、その中の一人が掌を打ち出しながら怒鳴った。「愚かな修士め、死ね!」

その将軍の手から黒い魔気が放たれ、黒いドクロのように朱天篷に向かって飛んできた。

それを見て、朱天篷は宝物を失うかもしれないことも考えられなくなり、頭の中で最初に浮かんだのは逃げることだった。

しかし、青蓮歩法を使おうと足を上げた瞬間、朱天篷は自分の体が動かなくなっていることに気付いた。まるで固定されたかのようだった。

この状況は地魔将軍の一撃の威力によるものではなく、彼の手にある長剣が何かと密着したかのようで、剣を抜かない限り動けないようだった。

これに対し、朱天篷の心は暗くなった。避けようがなく、黒いドクロが近づいてくるのを見ながら、目を閉じ、心の中で嘆いた。「くそっ、こんな風に散るのか」

千載一遇の危機の瞬間、一つの影が突然朱天篷の背後に現れ、彼を掴んで投げ出し、そして反手で地魔将軍の攻撃を打ち砕いた。

それは急いで駆けつけた金玉だった!

彼がこれらを全て終えた後、金殇と金奎も彼の前に現れ、三人は再び四人の地魔将軍と対峙し、空気は極めて緊迫していた。