その後の数日間、雲海中學校では奇妙な光景が見られた。学校で二番目の美人である雲霓が、毎日雨の日も風の日も葉錯に朝食を届けるのだが、二人はほぼ毎回喧嘩になりそうになっていた。
「雲霓、これは一体何を持ってきたんだ?ニンニク味の豆花?どこからこんな闇料理を見つけてきたんだ?」葉錯は怒鳴りそうになった。この数日間、わさび餡の饅頭、胡椒味の雑穀粥、醤油と酢で作ったコーラなど、様々な奇怪な食べ物を見てきた。
前世で殺し屋だった時の警戒心のおかげで、どんな食べ物でも先に確認する習慣がなければ、今頃は雲霓にやられていただろう。
雲霓はにこにこと首を振り、「何もできないでしょう」という態度で言った。「あなたが持ってこいって言ったのよ。何を持ってくるかは言わなかったじゃない。あなたみたいな変態は、きっとこういう変な味が好きなはずよ。私の判断は間違ってないわ」
葉錯は鼻にしわを寄せた。「お前、三日叩かないと天井まで上るタイプか?今日はちょっと懲らしめてやらないとな」
「何をするつもり?」雲霓の表情が一変し、警戒した目で葉錯を見つめた。
クラスの多くの生徒がこの様子に気付き、内心で葉錯を羨ましく思っていた。この野郎は運がいい。蘇雅に告白した途端、今度は雲霓と仲良くなるなんて。みんな元瑤のことを心配し始めた。
元瑤は雲海中學校の三大美人の中で、唯一葉錯と関わりのない女子だった。
雲霓は学校全体でもファンが多く、前回の掲示板の件が暴露されてから、多くの人が陰で噂していた。それ以来、蘇雅は葉錯に対して冷たくなったように見えたが、雲霓は頻繁に三年二組に現れ、毎回葉錯と喧嘩しそうになっていた。
二人は今にらみ合い、怒った様子でお互いを見つめていた。
葉錯は彼女を指差して言った。「人の世話もできないなんて、お前みたいな間抜けな女は、将来誰が貰うんだ?」
雲霓は冷たく鼻を鳴らして言った。「私は生まれつき人に仕えるんじゃなくて、仕えられる側よ。嫁に行けるかどうかなんて、あなたに関係ないでしょう?あなたに嫁ぐわけじゃないんだから」
葉錯は言った。「お前が土下座してきても、俺はお前なんか貰わないぞ。他の女の子がどれだけ優しいか見てみろよ、お前と比べたら」