第78話 公開表彰

向こうの数人が話すと、周りの事情を知らない人たちも理解し、人々の間でひそひそ話が広がった。

葉芊芊は顔を赤らめて言った。「嘘よ！お兄ちゃんはバスケなんてしないわ。そんな賭けをするはずがないでしょう？」

鄭凱は言った。「信じられないなら聞いてみたらどうだ。」

葉芊芊が2組の生徒たちを見ると、彼らは黙って頭を下げた。

葉芊芊は心配になり、服の裾を指で摘みながら、何を言えばいいのか分からなくなった。

鄭凱は冷たい声で言った。「役立たずは役立たず、臆病者の本質は永遠に変わらないんだよ。」

葉芊芊は怒って叫んだ。「お兄ちゃんの悪口を言わないで！お兄ちゃんは世界で一番勇敢な人よ！」

「あいつが勇敢？ハハハ、今日聞いた中で最高のジョークだな。」鄭凱は大げさに笑った。

葉芊芊が何か言おうとした時、突然——

「蘇雅が来た、蘇雅が来た。」群衆が急に騒がしくなり、自然と道が開かれ、美しい少女がバスケのユニフォーム姿でコートサイドに現れた。

「わぁ！」群衆から小さな感嘆の声が上がり、その声は次第に大きくなり、最後には拍手と口笛の嵐となった。学校の男子生徒たちは必死にはやし立て、ユニフォーム姿の蘇雅を初めて見た。

蘇雅はいつも大人しく、華奢な印象を与えていた。身長168センチは女子としては低くないが、みんな無意識に彼女を弱々しいと思っていた。しかし今日は——

「蘇雅がユニフォームを着てる、バスケをするの？」

「まさか？彼女がバスケができるなんて、初めて知ったよ。」

「ありえないことはないだろう。蘇雅は何でもできるんだ、すごい子だよ。僕の女神は万能だからね。」

「冗談じゃない、チアリーダーだろう。蘇雅がどんなに賢くても、頭が良いだけで、体力で男子と勝負なんてできないよ。2組の男子は幸せだな。バスケは下手でも、こんな女神が応援してくれるんだから、負けても最高だろう。」

群衆の議論が飛び交う中、全員が呆然と蘇雅を見つめていた。

蘇雅はスタイル抜群で、ユニフォームとショートパンツ姿の彼女の白い腕と細い脚が露出し、女子生徒までも見とれていた。

2組の生徒たちの前まで来ると、蘇雅は咳払いをして言った。「みんな揃ってる？」

2組の男子生徒たちはようやく我に返った。「あ...揃ってます...あ、いや！葉錯が来てません。」

蘇雅は眉をひそめた。「彼は来てないの？」