「命があったのは、運が良かったからだ」葉青瓷は淡々と言った。
「やはり幸運の女神が間に合ってくれたからこそ、さもなければ私の命はなかっただろう。前にも言ったように、私の実力は微々たるもので、命の恩は返せないかもしれないが、心に刻んでおくよ」
蘇乘羽は再び葉青瓷に感謝の言葉を述べた。
「幸運の女神?」葉青瓷は眉を上げた。
「君こそ私の幸運の女神じゃないか?会うたびに三回も私を救ってくれた」蘇乘羽は笑いながら言った。
葉青瓷は返事をしなかった。蘇乘羽は尋ねた。「どうしてここにいるの?まだ霖江を離れていなかったの?」
「斬妖司が情報を受け取った。ここから百海里先の嵊州島に妖人の痕跡があると。私はちょうど見に来たところだ。島を出ようとしたとき、ここに妖人の気配を感じた」葉青瓷は言った。