神殿伝法
農家の法術は数え切れないほどあり、学派の思想によって三つの種類に分けられる。
すなわち：天時派、地利派、本我派である。
天時派の主な思想は「天時を知り、天時を定め、天時を変える」というものだ。
彼らは植物の成長に最も重要な条件は、天時だと考えている。
上古時代、玄黄大陸は「天災紀元」を経験し、天候は極めて不安定だった。
一日で四季が巡り、一年で滄海が桑田となった。
現在でも、玄黄大陸には多くの場所でこのような混沌とした天候が存在している。
例えば、常に炎が燃え続ける山脈や、永遠に解けない氷海がある。
また、朝は金鉄を溶かすほどの炎烈な太陽が照り、夜には滴水が凍り、死体が凍りつくような場所もある。
そこまで極端ではない場所でも、「四季紊亂」や「節気逆転」の状況が発生している。
そのため農家の「天時派」は、法術の研究の方向性として、天時を知り、天時を変え、天時を定め、地方の民衆に安定した耕作環境を作り出すことだと考えている。
最も有名な法術典籍は、『節気の令』である。
修練すれば、天候を調整し、地方の節気を定めることができ、その中の法術は全てこの思想に基づいている。
地利派の核心思想は、天時は逆らえず、天候は変えられないと考え、そんな力があるなら、寒苦の地を風水宝地に改善する方法を考えた方がよいというものだ。
これを基礎として植物を植え、地利と植物の二重の影響下で、徐々に外へと広がり、適応できる生存環境を拡大していく。
土壌を十分肥沃に改善できれば、どんなに過酷な天候でも花を咲かせ実を結ぶことができる。
氷山の上でも可憐な雪蓮が咲くことを知らないのか！
地利派の古典的な秘伝には『後土帰元法』『地蔵元門陣』があり、この学派は道具と術陣を得意とし、工家と近い関係にある。
一方「本我派」は、お前らはどうでもいいと言う。
天時も地利も、全て外物に過ぎない、自身が強くなることこそが真の強さだ！
本我派は植物自体が一つの奇跡であり、強靭な生命力に満ち、あらゆる環境に適応できると考えている。
天下の奇花異草、神木の仙枝を集め、優れたものを選んで育て、これを何代も繰り返せば、あらゆる外的要因に耐えられる種子を得ることができる。
本我派は、法術は「植物をより強く育成する」方向に発展すべきだと考えている。
最も有名な典籍は『万物成長図』である。
「現在のこの時期は、天時派が主流となり、主要な思想を占めており、地利派と本我派は二次的な存在となっている。」
「復興バージョンまで待てば、この二つの流派が輝く時が来る。虚空に根を張る虚空種や、植物を数位階も進化させる神秘的な土壌まで現れるだろう。」神殿への道で、趙興はすでに当面の主要な修練方向を決めていた。
主に、彼は今は地利派や本我派を選ぶ条件を持ち合わせていないからだ。
「今の私は行動力が弱すぎる。もし後で遠くまで行ける力を持てば、この時代の珍宝を探してみるのもいいだろう。例えば溶岩地火蓮や嗜血藤、それに上古の大墓に残されている寄生種や異種なども。」
「今は……あるものでやっていくしかない。」
……
谷城神殿は、県レベルの神殿である。
中の神像は、何か漠然とした伝説の神霊ではなく、一部は歴史上の著名人物で、多くは大周朝の故人となった文官や武将たちだ。
生前の勇猛な戦いぶりや、統治によって地方に恩恵をもたらしたことで、大周神廟に祀られることとなった。
その中でも、太祖朝の文官武将が最も多い。
例えば趙興が今見ている本殿には、太祖時代の「東湖伯爵」が祀られている。
谷城の東湖で生まれ、若くして漁師として生計を立てていた。太祖が千国を征伐し、乱世を統一する時期に、召公の配下に加わり、戦車御者となり、最後には東湖伯に封じられた。
故郷に戻った後、全財産を投じて橋を架け道を敷き、故郷を改造し、さらに自ら多くの田地を放棄して流民に耕作させ、谷城を一つの町から県の規模にまで発展させた。
彼の死後、この神殿に祀られ線香の供養を受け、陰神界の一員となった。
「東湖伯爵は武を得意とするが、私は法術を求めているので、彼に願うのは適切ではない。この時期は司農職が最も発展に適しており、他の職業ではない。私は道胚丹を服用したが、もし彼が私の素質を見て武を学ぶべきだと考え、何か武学の秘伝書を与えられたら、それは時間の無駄になってしまう。」
趙興は殿内に入らず、外の銅爐の前で線香を立てて拝むだけにして、立ち去ろうとした。
「ゴーン！」
東湖伯爵の神殿内で、銅鐘が自動的に鳴り響き、強い意念が趙興の脳裏に鮮明に伝わってきた。まるで引き止めようとするかのように、あるいは立ち去るなと諭すかのように。
趙興は表情を硬くしたが、まさか殿の外から一礼しただけで、こんなことになるとは思わなかった。東湖伯爵が顕霊して積極的に引き止めようとするなんて？
道胚丹は本当にそんなに凄いのか……趙興は再び手を合わせ、足早に逃げ出した。
「はぁ。」
趙興が去った後、神像からかすかなため息のような音が漏れた。
殿内で座禅を組んでいた神官は戸外を不思議そうに見たが、誰もいないことを確認した。
再び神像を見上げたが、何の啓示もなく、ただ頭を掻きながら座禅を続けた。
……
この出来事があったため、趙興はもう適当に拝むことはできなくなった。
足早に脇殿の一つである曹渓真君殿へと向かった。
「曹渓は、開国初期に南陽郡の籍田令を務め、工家の「帰元水車」を大々的に推進し、また平湖十三水路を整備し、工家の術陣を用いて水害を治めたことから、農家地利派の優れた人物として認められている。」
「しかし彼は多くの流派に通じており、『曹渓説農書』という著作もあり、実践家でもあった。彼を拝めば間違いないだろう。」
「あなたにお願いすることにしました。」
趙興は県衙門の許可文書を神殿司祭に渡した。司祭は司礼監の職位で、主に祭祀の礼儀作法を管理している。
これはプレイヤーの間で「扶乩師」と呼ばれる職業で、初期の「神職」の一つだ。この職業は請神や陰神界の召喚戦闘が可能だった。
かつて趙興もこの職に転職して楽しもうと考えたことがあったが、気運王朝の崩壊とともに戦闘力が大幅に低下し、復興バージョンで強くなるのは極めて困難で複雑になったため、断念せざるを得なかった。
今となっては一時の快感のために司農職を捨てて、この初期神職を選ぶことなど考えられない。
「文書に問題はありません。中に入ったら、蒲団の上で座って静かに祈願してください。」守殿司祭は若かったが、老成した様子で言った。「覚えておいてください。法術は強要できません。何かを得られれば幸運です。何も得られなくても、それはあなたの実力がまだ足りないということです。次回また来ればよいのです。余計な考えを持たないように。」
これは趙興に、法術が得られなかった場合に執着や怨念を生まないよう注意を促しているのだ。陰神界は自分に関係する念には非常に敏感だからだ。
「はい、司祭様。ありがとうございます。」趙興は深く息を吸い、曹渓真君殿に足を踏み入れた。