第5章_2

娘が財産を相続できなかったため、両親の老後の世話や葬儀については、形だけ参加して少し手伝えばよく、お金を出す必要はない。

しかし、この牛家の三女が自分の母親のために冥寿を執り行おうとするのは、とても規則に反している。どんなに親孝行の心があっても、そのような形で表すものではない。もし家族が全て姉妹で男子がいないのなら別だが、彼女には二人の兄がいるのだ。

劉金霞は目を伏せて言った：

「それなら簡単だ。みんなが本家になりたいというのなら、全員本家になればいい。村の共同広場で土地を借りて、三つの祭壇を立て、三組の供物を用意し、三冊の血経を焼けばいい。」

牛福は一瞬戸惑い、尋ねた：「そ...そんなことができるんですか？」

劉金霞は頷いて：「できますとも。一緒に執り行えば、同じ場所で、お母さんも分散する必要はありません。あなたの弟の瑞侯は昨日、家族の生年月日を私に渡しました。今日はあなたのを頂戴して、それからあなたの妹にも連絡して、この二日以内に持ってくるように伝えてください。私が引き子を開けられるように。」

元々一つの仕事で一つの報酬だったのが、今や一つの仕事で三つの報酬になる。劉金霞にとっては儲かる話だ。

牛福は少し躊躇した後、最終的に頷いて言った：「では、そうしましょう。帰ったら彼らに伝えて、一緒に執り行うことにします。」

「はい、生年月日が全て揃ったら、具体的な日取りを決めましょう。」

「急いでください。」牛福は催促した、「早めにお願いします。」

「分かっています。」劉金霞は頷き、心配する必要はないと示してから、立ち上がって客を見送る準備をした。

牛福は腰を上げかけたが、何か思い出したように再び座り直して言った：「もう一つ、冥寿の時は、劉ばあやに斎を座っていただきたい。」

斎事というのは法事のことで、斎を座るというのは、道のわかる人に同席してもらい、小鬼の邪魔を防ぐことだ。

この「道のわかる」というのをどう解釈するかは、それぞれの心次第で、本当に人がいない場合は、豚肉屋でも座ることができる。

李三江は家で紙製品の商売をしているので、誰かの家に紙を届けるたびに、自然とその家の斎を座ることになり、無料で食事にありつけるだけでなく、本家からのお礼も受け取れる。

しかし、この「自然と」というのはコストが低く、お礼も薄いが、実際に口に出して「お願い」すると、それは別の価格になる。

牛福はすぐに付け加えた：「お礼の件は心配いりません。劉ばあや、私たち...私たち三家とも出します。」

「そうですか...」劉金霞は心の中で不安を感じ、なんとなく落ち着かない。

「それと、劉ばあやから同じ村の三江おじにもお声掛けいただきたいのです。私たちは彼もお願いしたいと思っています。」

劉金霞は唾を飲み込み、すぐには承諾せずに言った：

「三江侯に話してみますが、彼に時間があるかどうかわかりません。まずは生年月日をください。日取りを決めないと、これは遅らせられません。」

「はい、はい、はい。」

その後、牛福はポケットから布包みを取り出し、一枚一枚開くと、中から端の曲がった大団結の束が現れた。

彼は指先を舐めて、お金を数え始めた。

劉金霞は最初の分は受け取ったが、二番目の分は押し返して言った：「斎を座る件については、三江侯と相談してから、また皆さんにお伝えします。」

「これは...」牛福は明らかに気が進まない様子で、「やはり、先に決めておいた方が...」

劉金霞は断固として言った：「事が決まる前に、このお金を清算する必要はありません。これが規則です。」

「分かりました。では劉ばあやにお手数をおかけします。三江おじのところには私は行きませんので、ご連絡をお待ちしています。」

「はい。」

牛福は自分でドアを開け、出て行った。

李菊香は自分の母を支えながら、不思議そうに尋ねた：「お母さん、どうしたの？」

この一件で過去一季分の収入に匹敵する金額になるのに、普段は金に目のない母親が今回躊躇っているのが、李菊香には理解できなかった。値段を上げるための駆け引きにも見えない。

劉金霞は小声で言った：「みんな農家の人間で、特別裕福な家柄でもないのに、こんなに素直にお金を出すのは、一つの理由しかないわ。」

「どんな理由？」

「破財免災よ。」

「お母さん、つまり？」

「香侯や、この世の中で、どんな母親が自分が死んでから自分の子供に祟りをなすというの？」

「それはそうね。」

「それよりもっと理解できないのは、どれだけの息子や娘が、生活が安定しないのは地下にいる母親が自分を困らせているんじゃないかと疑うことがあるかってことよ？

それは、自分が人として外れたことをしでかした場合を除いてね。」

「お母さん、じゃあこの仕事は？」

「まあ、三江侯に相談してからにしましょう。彼が行けると言うなら、このお金を全部稼ぎましょう。はぁ、本当に彼らが出すお金が多すぎるのよ。」

「三江おじが断ったら、諦められるの？」

「命を落としてまで稼ぐお金に何の意味があるの。」

「そうね、三江おじの腕は信頼できるものね。彼がいれば、私たちも安心できる。」

「彼の腕は...」劉金霞は眉をしかめ、評価が難しそうな様子だったが、それでも肯定的に言った、「彼がいれば、確かに心強いわ。」

...

「遠侯兄さん？」

李追遠が動かないのを見て、翠翠は手を伸ばして彼の手を取った。

二人が触れた瞬間、李追遠は左肩の冷たい感覚が消えるのを感じた。同時に、翠翠が身震いし、自分の手を握る手が震えるのを感じ取った。

「翠翠、下がって！」

「えっ？」

「私から離れて！」

理由は分からなかったが、翠翠は素直に手を離し、後ろに数歩下がった。

「翠翠、そこで動かないで、私に近づかないで。」

「うん...」

遠侯兄さんの突然の態度に、翠翠は自分が嫌われていた時の記憶を思い出し、目に涙が浮かび、小さな鼻がすすり始めた。

李追遠は、さっき翠翠が自分に触れた時、元々自分の肩に両手を置いていた老婆が、片手を離して翠翠に向かって掴もうとしたような感覚を覚えていた。