第15章_2

「よし!」

潤生は牛瑞から離れ、牛福に向かって飛びかかり、彼を押さえつけた。

「遠侯ちゃん、縄か藁を探してきてくれ!」

「はい、曾祖父」

「うぅ、母さん、お母さん、うぅ、私の母さん、ああ痛い...」

向かいの畦道に、一人の女の姿が現れた。彼女は髪も顔も汚れ、体中が血と泥で汚れており、特に両手は皮膚が剥がれかけ、骨に布切れがぶら下がっているようだった。

彼女の体には何故か、水草のようなものが巻き付いており、地面に長く引きずっていた。

彼女はよろよろと、つまずきながらゆっくりと前方の溝に向かって進んでいた。

牛蓮だ!

彼女は生き埋めにされなかったのか、また出てきたのだ。しかし、この様子では、一度埋められたものの死に切れず、自分で這い出してきたようだ。

その状況を見て、李三江は李追遠に叫んだ:「遠侯ちゃん、早く縄か藁を探してきて!」

しかし、光景は同じでも、李追遠の耳には:「遠侯ちゃん、早く彼女を捕まえて、水路に落ちないようにして!」と聞こえた。

李追遠は目を瞬き、二か所に分かれて牛家の者をそれぞれ押さえつけている曾祖父と潤生を見て、さらに遠くの牛蓮を見た。

彼は「曾祖父」の言葉に従って牛蓮を捕まえに行くのではなく、小屋の方へ走った。そこには縄があり、山様と劉金霞もいた。怪我をしているとはいえ、人を縛るくらいの手伝いはできるはずだ。

牛蓮を捕まえに行かなかった理由は単純で、自分が年若く力が弱いからではない。実際、今の牛蓮は風にも吹き飛ばされそうなほど弱々しく、子供でも彼女の帯を掴めば引き止められるはずだった。

しかし、元々三人で行動していたのに、突然ばらばらに分かれることに、李追遠は本能的な不安を感じた。まるで計算されたかのように、牛家の三人が次々と現れて捕まえられるのを待っているようだった。

しかし、少し走ったところで、李追遠は足を止めた。自分は牛蓮を捕まえに行かなかったが、結局離れてしまったことに気づいた。

冷たい風が吹き過ぎ、李追遠が振り返ると、後ろの遠くには真っ暗な田んぼしかなく、曾祖父と潤生の姿はどこにも見えなかった。

その時、耳元で木魚の音が聞こえ始め、乱雑な読経の声も混ざっていた。昼間の葬式で演じていた和尚の一団のようだった。

周囲に、道服を着た人影が次々と現れ、彼らは様々な法器を手に持って、自分の周りを回り始めた。