第16章_5

「落ち着いて、璃！」

秦璃は立ち上がり、家の中へ向かった。

柳玉梅は後ろで頭を抱えて溜息をつくばかりだった。

秦璃は二階の李追遠の前に来て、彼を見つめた。

「昨夜遅く帰って、寝過ごしてしまった。」

そう説明した後、李追遠は身支度を始め、秦璃の手を取って階下へ降りた。食事の時間が近づいており、彼はお腹が空いていた。

階下は賑やかで、李三江、山様、劉金霞はすでにピーナッツと魚のゼリーを肴に酒を飲み始めていた。

劉金霞と山様の傷は包帯で処置され、顔にも軟膏が塗られていた。

彼らは診療所には行かなかった。彼らの仕事柄、簡単には診療所に行けないのだ。特に劉金霞は、多くの人が彼女に「治療」を求めに来るのだから。

しかし劉金霞は常に分別があり、自分の力量を知っていた。毎回、お湯で砂糖と黒ゴマペーストを溶かした符水を人に飲ませた後は、必ず家族に患者を保健所に連れて行くよう、あるいは薬を続けるよう求め、自分のは医者の治療に付随する小さな助けに過ぎないと明言していた。

李追遠は知っていた。彼らの傷の手当てをしたのは、おそらく劉おばさんだろうと。前回、劉おばさんが曾祖父の傷の手当てをした時も、腕前は良かった。

「潤生兄は？」

「潤生か。」山様はしゃっくりをしながら、話そうとした時、外から潤生と秦おじが一緒に田んぼから戻ってくるのが見えた。

潤生は、田仕事に行っていたのだ。

鍬を担いで裸足で、体中汗まみれの彼の姿を見て、李追遠は突然自分が居候のような気がしてきた。実際そうなのだが。

「ご飯よ、ご飯！」

劉おばさんが皆を食事に呼んだ。

柳玉梅たちは一つのテーブル、李三江たちは別のテーブル、李追遠は秦璃と小さなテーブルに座り、そして...潤生は一人で別テーブルだった。

彼のテーブルは最も寂しい隅にあり、目の前には大きな飯椀が置かれ、その中には大きなテーブルから移された料理が入っており、上には腕ほどの太さの大きな線香が立てられていた。

潤生は満足そうに笑っていた。食べ物に対してなのか、線香に対してなのか、あるいは彼の目には違いがないのかもしれない。

つまり、皆が彼を孤立させているわけではなく、あの太い線香が近くにあると目が痛くなって、とても食事ができないのだ。

李三江は山様に冗談を言った：