蘇長御は去った。
しかしすぐに戻ってきた。
何かを忘れたわけではなく、主に蘇長御は考えれば考えるほど少し怖くなってきたのだ。
結局、先ほどの剣術は彼が適当に作り上げたものだったからだ。
最初の構えは確かに川河劍法だったが、途中の数手は完全に即興で、見た目は壮大だが実戦では全く役に立たない剣技だった。
葉平は素直すぎるため、蘇長御は葉平があまりにも真面目に受け止めすぎて、のちに魔に入ってしまうことを心配した。
だから蘇長御は戻ってきたのだ。
葉平に一度演武させて確認し、重ねて注意を与えれば、あまりにも執着することはないだろうと考えた。
すぐに蘇長御は後崖に着いた。
葉平は剣の練習をしておらず、目を閉じて精神を集中させ、何かを考えているようだった。
「師弟よ」
蘇長御が呼びかけると、葉平は目を開き、困惑した表情を見せた。
「大師兄、なぜまた戻ってこられたのですか?」
葉平は不思議そうだった。彼が座ってからそれほど時間も経っておらず、天河剣法について思索していたところだったのに、蘇長御がまた戻ってくるとは思いもしなかった。
「師弟よ、先ほどの天河剣法を師兄に見せてくれないか。師兄はお前にこの剣術が合わないのではないかと心配なのだ」
蘇長御は遠回しな言い方をせず、率直に言った。
「はい、承知しました」
葉平は頷き、傍らの宝剣を手に取った。
「師兄、少々お待ちいただけますか?先ほどいくつかの考えが浮かび、それについて考えたいのです」
葉平は少し緊張した様子だった。
絶世剣道の達人の前で剣術を披露するのは、まさに關公の前で大刀を振り回すようなものだからだ。
特に一度しか見ていない技なので、葉平は間違えることを恐れ、よく考えてから行いたいと思った。
「構わない、師兄が待とう」
蘇長御は特に気にする様子もなかった。
「では少々お待ちください」
葉平は黙り込み、その場に立ったまま目を閉じ、この剣術について思索を始めた。
剣技が瞬時に脳裏に浮かんだ。
脳裏では、剣影が重なり合う。
九つの剣技が、絶え間なく展開される。
この天河剣法は、剣勢が壮大で気高く、脳裏では剣技が極めて精妙絶倫で、比類なき圧倒的な感覚を与える。
まるで向き合っているのは河ではなく、大海原のようだった。
しかしなぜ天河剣法と呼ぶのか?
葉平はしばし深い思索に沈んだ。
しかししばらくすると、葉平は突然悟った。
天河とは何か?
蒼穹に懸かる銀河、それが天河である。
天河とは銀河のことだ。
いかなる海も銀河の大きさには及ばない。
その瞬間、葉平は完全に悟った。
遠くで。
蘇長御の足がしびれ始めていた。
彼は少し後悔していた。なぜ戻ってきたのか、そしてより困惑したのは、葉平の記憶力がなぜこんなに悪いのかということだった。
自分が先ほど見せた剣技を、なぜこんなに長く考える必要があるのか?
もう少し早くできないのか?
私は疲れたよ。
早く終わらせてくれないか?
蘇長御が取り留めもない考えに耽っているとき。
突然、葉平が剣を繰り出した。
ざわっ。
それは波の音だった。
剣の鳴りではなく、海の波の音だった。
その瞬間、蘇長御は呆然とした。
葉平の剣勢は虹のごとく、第一の技を繰り出した後、雲の流れのように次の技へと移っていった。
一つ一つの技が波のようだった。
技を重ねるごとに強さを増していく。
二十の技。
五十の技。
百の技。
蘇長御は呆然としていた。先ほど自分が見せたのはたった九つの技だったのに、今や百を超える技となっていた。
しかも技が後半に進むほど、葉平の気勢は強くなり、まるで大海原の波のようだった。
重なり合い、次々と押し寄せ、無限に積み重なっていく。
ごうごうっ!
ごうごうっ!
暴風が吹き荒れ、数十メートル内のすべての枯れ枝や木の葉が巻き上げられ、古木までもが震えていた。
これは剣勢ではない。
これは単なる剣技で、葉平が剣を振るうたびに、枯れ葉が波のように上下に揺れていた。
ドン。
三百六十五番目の技。
葉平が一剣を突き出した。
その瞬間、爆発音が響き渡った。
ドン!
ドン!
ドン!
葉平の正面十メートルの場所で、砂埃が舞い、岩石が飛び散り、恐ろしい爆発音が耳をつんざいた。
しかし蘇長御は完全に呆然としていた。
これが俺が先ほど教えた天河剣法なのか?
蘇長御はその場で固まっていた。
葉平の剣勢には、確かに先ほど自分が教えた痕跡が見られたが、両者の威力は、まさに天と地ほどの差があった。
蘇長御は葉平の剣勢をどう表現すればいいのか分からなかった。
ただ一つ分かっていたのは、もし自分が葉平と戦うことになれば、おそらく棺桶を用意しておいた方がいいということだった。
自分は平凡とはいえ、練氣五層の修士なのだ。
それなのに葉平は修為さえないのに、こんなにも強いとは?
天理はあるのか?
道理はあるのか?
私は嫉妬で胸が張り裂けそうだ。
我に返った蘇長御は、嫉妬心で胸がいっぱいだった。
彼は本当に予想もしていなかった。葉平がたった一刻の間に、くだらない天河剣法を会得してしまうとは。
彼は怒りと嫉妬で胸が一杯だった。
遠くで、葉平は長剣を収め、その後蘇長御を見つめ、顔には緊張の色が浮かんでいた。
「大師兄、師弟は才能が乏しく、おそらくこの剣術の真髄を表現できていないと思います」
葉平は正直に言った。
なぜなら彼は、この剣術が非常に特別で、四雷劍法よりもはるかに深遠で、決して三百六十五の剣技だけではないと感じていたからだ。
天河の剣なのだから。
「確かに平凡だな。だが短時間で三百六十五の技を演じられたのは、まあまあだろう。よし、師弟よ、続けて研究するがいい」
蘇長御は軽く言い流した。
しかし内心は極めて苦しかった。
もう話したくなかった。
すぐに立ち去った。
葉平は去っていく蘇長御を見て、無意識に自分の才能があまりに乏しすぎるため、それ以上何も言いたくないのだと思い込んだ。
そう考えると、葉平は深く息を吸い込んで言った。
「大師兄、ご安心ください。私は必ず努力します。生涯をかけてあなたの百分の一にでも近づけるよう頑張ります」
葉平は固く誓った。
一方、蘇長御はつまずいて転びそうになった。
私の百分の一?
私を侮辱しているのか?
人を殺し、心を傷つける。
人を殺し、心を傷つけるとはこのことか。
よし、いいだろう。
師弟よ、師弟。
私、蘇長御は誓う。必ずお前が習得できない剣術を作り出してみせる。
お前が何でも習得できるとは思わない。
もしお前が次の剣術も習得できたら。
晉國のすべての飛び剣を、お前の目の前で飲み込んでやる。
タレをつけて飲み込んでやる。
蘇長御は長衣の中で拳を固く握りしめ、心の中で誓った。必ず葉平が悟れない劍譜を作り出すと。
必ず!必ず!必ず!
彼は本当に打ちのめされていた。
今は一人になりたかった。
そうして。
深夜になるまで。
青雲道宗の中で、許洛塵は一冊の本を持って部屋の外に出て、眉をひそめていた。
「回血丹の四大主材料は、薬草、血藤、枯れ心の根、良薬の葉で、九種の補助薬は……」
許洛塵は何かを暗唱しながら、つぶやいていた。
しかしすぐに、手にした本を見て、独り言を言った。
「また間違えた。枯れ心の根じゃない、枯れ心の根は即死丹の主薬だ。許洛塵よ許洛塵、なぜまだ覚えられないんだ?もうすぐ丹薬師の試験なのに、今回もまた失敗したら、八回目の失敗になってしまう」
許洛塵は自分を責めた。
しかしすぐに、許洛塵は遠くの崖にいる人影に気付いた。
蘇長御の姿だった。
一人で満天の星を見つめ、非常に寂しげな様子だった。
「大師兄の病状は最近ますます重くなってきているな」
「はぁ、大師兄は我慢が足りないんだ。小師弟の才能がいくら劣っていても、ここまでする必要はないだろう?」
「才能が劣っているだけじゃないか?我々青雲道宗の誰が才能があるというんだ?少しも我慢強くない」
「師として、少しも我慢強くなく、ちょっとしたことで打ちのめされるなんて、本当に役立たずだ。将来どうやって宗主の位置に座るつもりなんだ?」
「明日、私がこの小師弟を教えてみよう。大師兄に師としての心得を教えてやろう」
許洛塵は首を振りながら、明らかに不満そうな様子で、その後また薬方の暗記を続けた。