雲霧山脈。
王羽と陳華の二人は山間を歩き、後ろには四雷剣宗の內門の俊才二十名ほどが従っていた。
青州剣道大会がまもなく始まる。
残り二ヶ月もない時間で、宗主の四季道人は彼ら二人に、これらの弟子たちを率いて雲霧山脈へ向かい、剣道の修練を行うよう命じた。
簡単に言えば、実戦経験を積むということだ。
普段の宗門での試合など大したことではない。試合の時は相手が自分を傷つけないことを知っているからだ。そのため、彼らの剣道の造詣を深めるため、前もって雲霧山脈に派遣し、妖獣と戦わせるのだ。
このようにして、一ヶ月の時間で、この弟子たちを大きく成長させることができる。
王羽と陳華も不満はなく、弟子たちを連れて雲霧山脈にやってきた。
しかし雲霧山脈に入って二刻も経たないうちに、人影に遭遇した。
二人は慎重になった。彼らは既に築基境円満の修士ではあったが、雲霧山脈には虎視眈々と狙う者が潜んでおり、他人を襲撃して寶物を奪うことを好む修士もいる。四雷剣宗の威名をもってしても、このような命知らずを抑えることは難しい。
そのため二人は警戒を強めた。
しかし、二人が遠くにいる二人の姿を見たとき、少し驚いた。
一人は老人で、もう一人は若者だった。
老人の方はまだ良かった。平凡な様子で、しかも怪我をしているようだった。
その若者については。
二人は一目見て、どこかで見覚えがあるような気がしたが、すぐに王羽長老は呆然とした。
彼は目の前の男をじっと見つめた。
素白の衣をまとい、風采が優れ、剣眉星目で、その骨格に秘められた傲然とした気質が、王羽にとても見覚えがあるように感じられた。
とても、とても見覚えがある。
瞬時に、雷が脳裏を走るかのように、王羽の脳裏に一枚の肖像画が浮かんだ。
その肖像画には、夕陽が山峰を覆い、絶世剣仙のような存在が崖の上に立っていた。
そしてその絶世剣仙のような存在は、目の前の男とほぼ瓜二つだった。
もう一度よく見ると。
はっ!
はっ!
二つの息を呑む声が響いた。
一つは王羽の声で、もう一つは陳華長老の声だった。
二人は思わず目を合わせ、その表情に衝撃の色が浮かんだ。
晉國監察使統帥?