雲霧山脈。
近づいてくる少年を見つめながら。
蘇長御はまだ呆然としていた。
突然、四雷剣宗の修士に出会うとは。
相手は熱心で、太華道人が負傷しているのを見て進んで丹薬を与えるなんて、これは本当に常識外れだ。
品性が高いと言っても、ここまで高いものだろうか?
蘇長御は馬鹿ではない。この連中が自分に対して何か遠慮しているように見えることは分かっていた。特に王羽と陳華という二人の老人が。
時折自分を見る視線に、蘇長御は内心不安になっていた。
まさか本当に自分の美貌に目をつけたのか?
それに、なぜ若者が自分の前に来るのだろう?
仲人でもするつもりか?
なんてこった?
蘇長御はますます緊張した。
しかし、緊張すればするほど、表面上は孤高な態度を見せた。
そしてこの孤高な態度こそが、皆に測り知れない存在だと感じさせた。
四雷剣宗の弟子たちは、最初は何が起きているのか分からなかったが、数人の弟子が注意深く観察した後、すぐに状況を理解した。
これらの弟子たちは、宗門の俊才で、長老の後ろ盾があり、当然晉國監察使統帥の件も知っていた。
その中の二、三人は肖像画も見たことがあった。
蘇長御の前に立つ少年は、まさにその肖像画を見た者の一人だった。
少年は清秀だったが、蘇長御と比べると見劣りした。彼は少し緊張し、蘇長御の前に立つだけでプレッシャーを感じていた。
しかし、ここまで来た以上、もう躊躇う必要はなかった。
「前輩、あなたも剣道の修士と見受けました。最近、私は剣道の術について悩んでおり、どうしても理解できません。前輩、私の迷いを指南していただけませんでしょうか。」
少年は緊張しながら話した。
蘇長御が晉國監察使統帥であり、さらに晉國第一の剣道の強者だと知っているのだから、緊張しないはずがない。
傍らの陳華道人と王羽道人の表情が変わった。
特に王羽道人は、密かに眉をひそめ、この少年があまりにも無謀すぎると感じた。よくもこんな質問を直接できたものだ。
確かに宗主は、機会があれば剣道の知識を尋ねても良いと言っていた。
しかし、こんなに直接的であってはいけないだろう?
段階を踏んで進めるということを知らないのか?