青雲道宗の山門の前。
いくつかの古びた殿堂が立ち並び、その壁の漆は剥がれ落ちていた。
本堂の前には香炉があり、一本の寂しげな線香が燃えており、常に貧相な雰囲気が漂っていた。
今日、蘇長御は早起きをした。
青雲道宗の大師兄として。
宗主を迎えるのは当然彼の役目だった。
もちろん、宗主を迎えるのは些細なことで、重要なのは新しい小師弟をどうやって騙すかということだった。
他の師弟たちには既に指示を出し、自分たちの仕事に専念させ、当面は小師弟との接触を控えるように言っていた。
まずは神秘的な印象を保つことが大事だった。
もちろん、最も重要なのは第一印象だ。
蘇長御は第一印象がいかに重要かよく分かっていた。
そのため、蘇長御は自分の戦衣、かつての青州の剣術試合で五百強に入賞した際に授与された青州錦繡道袍を着用した。
道服を着ると、その人柄が大きく引き立ち、特に三尺青鋒の剣を携えることで、まるで絶世剣仙のような風格を醸し出していた。
銅鏡に映る自分を見て、蘇長御は感慨深げだった。
こんなに格好良く、見栄えも十分なのに、なぜ自分は平凡な人間なのだろうか?
確かにこの外見のおかげで、多くの人に高手と誤解されてきたことを思い出し、彼は溜息をついた。
しかし、紙は火を包めない。一度や二度の騙しは簡単だが、本当の実力がなければいずれ暴かれる。だから蘇長御は山を下りることを好まず、青雲道宗で静かに大師兄として過ごすことに幸せを感じていた。
そしてちょうどその時。
蘇長御は銅鏡を置いた。
時刻を計算すると、既に午の刻で、宗主もそろそろ戻ってくるはずだった。
そう考えると、蘇長御は部屋を出た。
山門の外に来ると、蘇長御は小さな丘の上に静かに立ち、その眼差しは穏やかで、端正な顔立ちは深遠な様子を見せていた。
三尺青鋒の剣が彼の前に浮かび、彼は手を後ろに組んで立っていた。既にポーズは決まっており、まだ見ぬ小師弟が引っかかるのを待つばかりだった。
そうして、一炷香の時間も経たないうちに。
二つの人影がゆっくりと視界に入ってきた。
この瞬間、蘇長御は少し緊張したが、すぐに感情を抑え、自分独特の気質を存分に表現した。
青雲道宗の山頂で。
徒歩で登ってきた葉平は既に息を切らしていた。
山登りは体力仕事で、武術も修仙も修めていない凡人にとって、曲がりくねった山道はレンガ運びよりも疲れる。
修仙への強い意志がなければ、葉平はとっくに諦めていただろう。
葉平の額には汗が滲み、山道を歩くのは辛かったが、対照的に太華道人は依然として軽やかで、一片の塵も身に付けず、仙人の風格を存分に示していた。それは葉平の羨望の的だった。
葉平が羨ましく思っているまさにその時。
すぐに、ある人影が彼の目を引いた。
遠くない丘の上に。
二十七、八歳の男が手を後ろに組んで立っていた。
その男は容姿端麗で、玉冠を被り、錦繡の長衣を纏い、目の前には三尺青鋒の剣が浮かんでおり、その眼差しは星辰のように深遠だった。
「剣仙?」
葉平の脳裏に自然とこの言葉が浮かんだ。
遠くの人影は、葉平の剣仙に対する全ての幻想を満たしていた。
英俊瀟洒、剣眉星目、風格秀麗、まるで無上の剣仙のようだった。
特にその瞳は、万物を超然と見つめ、天地万物が彼の目には取るに足らないもののように映っているかのようだった。
葉平はその場に立ち尽くした。
正直なところ、この宗門に入る前、葉平はこの青雲道宗はかなり劣った宗門だと思っていた。そうでなければ、自分のような無霊根の修士でも受け入れられるはずがないと。
しかしこの若い男を見た時。
突然、葉平は自分が間違っていたかもしれないと思った。
おそらくこの宗門は表面上は二流の宗門に見えるが、実際は隠世門派で、門内の者は皆が大物で、誰一人として自分を飛躍させることができる存在なのかもしれない。
そう考えると、葉平の心は興奮してきた。
そしてその時、葉平は思わず口を開いた。
「天上の剣仙三百万、我に会えば皆頭を垂れん」
この言葉は心からの言葉で、目の前の男にふさわしい言葉はこれしかなかった。
この言葉だけが、この絶世剣仙の気質を表現できるものだった。
葉平は興奮を抑えられなかった。
一方、蘇長御も驚いた。
彼は葉平の声を聞いていた。
この詩句に彼は少し驚いた。
天上の剣仙三百万、我に会えば皆頭を垂れん。
この言葉は面白い。
良い、十分に格好いい、今日からこの言葉は俺のものだ。
蘇長御は心の中で喜んだ。宗主を迎えに来ただけなのに、こんなに格好いい詩句を手に入れられるとは思わなかった。
良い、とても良い、素晴らしい、この小師弟は分かっている。
しかしすぐに、蘇長御は心の喜びを抑え、表情は相変わらず平静で淡々としていた。そしてその時、彼は太華道人に目を向け、恭しく一礼して言った。
「弟子、宗主にお目にかかります。宗主のご帰還を心よりお慶び申し上げます」
声は玉のように温かく響いた。
「うむ」太華道人は頷いた。先ほどの一部始終を見ていた。葉平の一挙手一投足、表情の変化の一つ一つまで細かく観察しており、当然葉平が騙されたことを知っていた。
しかし心中の喜びはあったものの、太華道人はできるだけ冷静を保っていた。
結局のところ、芝居をするなら徹底的にやらねばならない。そわそわしていては様にならないではないか。
「長御よ、お前はここで何をしているのだ?」
太華道人はゆっくりと口を開き、蘇長御に尋ねた。
後者は剣を握り、そして答えた。
「師匠にご報告申し上げます。弟子はここで天地の剣道を参悟し、ついでに師匠のご帰還をお迎えしておりました」
蘇長御は恥じることなく、すぐさま天地の剣道を参悟していたと言い、太華道人を少し驚かせた。
確かに自分は手紙で絶世の高人を演じるように言ったが、ここまでする必要はないだろう?
迎えに来たなら迎えに来たと言えばいいのに、なぜ天地の剣道まで持ち出す必要がある?
しかし葉平の表情がさらに驚嘆の色を増すのを見て、太華道人は少し安心した。
葉平が信じてくれさえすればそれでいい。大げさに言っても構わない、重要なのは人を引き止めることで、他の手段は何でも構わないのだ。
「そうか、ならばお前はここで大道を参悟し続けるがよい。葉平よ、この者がお前の大師兄、蘇長御だ。挨拶をするがよい」
太華道人が言った。
葉平はすぐに我に返り、数歩前に進み、そして蘇長御に深々と一礼した。
「師弟の葉平、大師兄にご挨拶申し上げます」
葉平は言い、礼を尽くして非常に恭しい態度を示した。
「師弟よ、気を遣わなくてよい。師匠に選ばれたということは、お前にも才があるということだ。師兄には贈るものは何もないが、一つの機縁の造化を授けよう。よく感得するがよい」
話しながら、蘇長御は手を振った。すると清らかな風が吹き寄せてきた。
瞬時に葉平は心が晴れ渡るような感覚を覚え、まるで全身が昇華したかのようだった。
傍らの太華道人は心の中で驚嘆を重ねていた。
貧相なのは貧相なのだが、一陣の清風を起こすだけで造化の機縁だと言い切れるとは、自分のこの大弟子がこれほど上手く見栄を張れるとは思いもよらなかった。
このような見栄を張る才能が惜しいものだ。
「大師兄に感謝申し上げます」
葉平にはこれがどんな術なのか分からなかった。異世界者として、この仙人の術法は彼の目には奇跡のように映った。
造化の機縁かどうかは置いておいて、とにかくこの大師兄は間違いなく高人なのだ!