脳裏の中で。
陣符図が光を放った。
一瞬のうちに、三千六百の陣符が浮かび上がった。
これらの陣符は、胎児の種子のように、薄膜に包まれ、極めて暗く見えた。
陣符は陣図の中に浮かんでいた。
天、地、日、月、山、川、草、木、星、辰、血、殺、金、木、水、火、土。
様々な陣符が現れたが、葉平の目を最も引いたのは「時間」という二文字だった。
「これだ。」
葉平は心の中で興奮し、時を無駄にせず意識で時間陣符と交信した。
瞬時に、時間陣符が葉平の目の前にゆっくりと現れた。
二筋の光が時間陣符の中に注入されると。
一瞬のうちに、薄膜が消え、代わりに眩いばかりの光が放たれた。
その輝きは目を奪うほどで、他の陣符の存在感を圧倒した。
一時的に、全ての陣符が陣図の中に戻り、時間陣符だけが葉平の脳裏に残った。
同時に、大量の情報が葉平の脳裏に流れ込んできた。
それは時間陣図に関する情報だった。
時間陣符には時間大陣が備わっており、葉平の目下の問題を全て解決した。
二刻後。
葉平は悟りから目覚めた。
彼は笑みを浮かべ、非常に興奮した様子だった。
彼はすでに時間陣図を理解していた。
時間陣符は自分に一つの陣図を与えた。
陣の中の時間を変えることができる。
陣の中の数日は、陣の外の一日に相当する。
陣法の中で十日間悟道しても、外では一日しか経っていないかもしれない。
同時に霊薬の成長を促進することもでき、陣法の中で百年経過しても、陣の外では十年しか経っていない。つまり、十年で百年物の霊薬を手に入れることができる。もちろん、これには大量の靈氣が必要だ。
今の自分にとっては、さほど大きな効果はないが、悟道においては極めて有効だ。
結局のところ、一日はたった十二刻しかない。
剣道、丹道、そして今の陣道を習得するには、大量の時間が必要だ。
しかし修練も最重要事項であり、多くの時間を修練に充てなければならない。
すでに体内で二つの燭龍仙穴を開いて自動修練できるようになったが、座禅を続けられれば、修練速度は大幅に上がるだろう。
二つの燭龍仙穴に頼って、練気三層から練気四層まで突破するのに、合計十数刻かかった。
座禅修練なら、おそらく六刻で突破できただろう。
しかし今は良くなった。時間陣符を習得したことで、少なくとも目下の時間不足という窮状を緩和できる。
興奮が収まった後。
葉平は無駄話をせず、直接靈氣で時間大陣を刻印した。
瞬時に、彼を中心として周囲半メートルの範囲で時間が遅くなり始めた。
葉平は確かに時間が遅くなったことを感じ取れた。
しかしこれは陣法の中だけの感覚で、外界には影響しない。
葉平は修練や悟りに入らず、時間の流れを観察していた。
二刻後。
葉平は手を振り、陣法を消した。
すぐに葉平は空を見上げ、一瞬で自分の時間大陣がどれだけ時間を遅らせたかを理解した。
陣の中の二刻。
しかし陣の外ではわずか一刻しか経っていなかった。
言い換えれば、陣法の中にいれば、自分の一日は二十四刻となる。
しかし葉平が明確に理解していたのは、修練速度は時間の遅延によって加速されないということだ。
そう、時間陣法は時間を遅らせることはできても、靈氣や物質を変えることはできない。
陣法の中で一日修練しても、陣法の外で一日修練しても効果は全く変わらない。大量の霊石のサポートがない限り、修練速度に変化はない。
しかし陣法の中で一日悟道すると、陣法の外で一日悟道するのとは全く異なる効果が得られる。
簡単に言えば。
自分が設置した時間陣法は、悟道にのみ適している。
しかしそれで十分だ。
毎日六刻を悟道に使えば、十二刻の悟道に相当する。
残りの六刻を修練に使えば、自分の計画に全く影響しない。
そして時間陣法は自分の修為が強くなるにつれて、時間を遅らせる能力も強くなっていく。
陣の中の一年が陣の外の一日というのも不可能ではない。
ただし唯一の欠点は、陣法を維持するために大量の靈氣が必要なことだ。
二つの燭龍仙穴でかろうじて維持できるが、時間比率を上げようとすれば、この程度の靈氣では足りない。
靈氣!
靈氣!
靈氣!
結局のところ、全ては靈氣に関係している。
太古神魔體を鍛錬するのにも靈氣が必要。
三千六百の無上仙竅にも靈氣が必要。
無上練気法にも靈氣が必要。
錬丹にも靈氣が必要。
陣法にも靈氣が必要。
大師兄から伝授された剣道の法だけが、靈氣を全く必要としない。
こう考えると、突然葉平は法財侶地の中で財が第二位に置かれている理由を理解した。
十分な靈氣がなければ。
たとえ無上心法を手に入れたとしても、どうなるというのか?
のろのろと修練?
五百年や千年かけて?神功が完成してから出てくる?
そんな修仙に何の意味があるのか。
「まあいい、後で山を下りてから、金儲けについてよく考えよう。初心者の時期は無茶はしない。」
葉平は心の中で呟いた。
様々な靈氣が不足しているとはいえ、葉平はただ愚痴をこぼすだけで、特に不満はなかった。結局のところ、自分はまだ初心者の段階だ。宗門でしっかりと技を学べば、後で山を下りた時に寶物に困ることはないだろう?
そう思うと、葉平は大陣の設置を続け、剣道の悟りを続けることにした。
天河剣法はまだ剣勢を凝縮できていなかった。
もう半月以上が経っているのに、もし大師兄に知られたら、怠けていると言われかねない。
そう考えると、葉平は再び悟道を始めた。
そうして数日が過ぎた。
仙武紀元、四月二十日。
青雲山脈の中。
三つの人影が早朝の静けさを破った。
蘇長御は上機嫌で、手に持った飛び剣を絶えず眺めていた。
一方、太華道人は表情を平静に保ち、山道を黙々と歩いていた。
許洛塵に至っては、完全に魂が抜けたような様子だった。
この山を下りた旅で、許洛塵は井の中の蛙が如何に大海を知らないかを痛感した。
五万両の金。
五万両の金だぞ。
自分の小師弟の一枚の絵が、なんと五万両の金で売れたのだ?
この事実を知った時、許洛塵は心が刀で切られるような痛みを感じた。
太華道人と蘇長御は彼を殴るのを止めた。
しかし許洛塵は自分で自分の頬を十数回叩いた。
なぜなら、彼の絵は一文の価値もなかったからだ。
店主は十両の金を見た後、目を血走らせ、自分を殺すと呟いていた。
もし自分が顔を隠していなければ、太華道人と蘇長御の手にかかるのではなく、店主の手にかかっていただろう。
元々万金の価値があった絵が、自分の手によって廃品と化してしまった。
一万両の金だぞ。
一万両の金だぞ。
許洛塵はかつて百両の金があれば、どんな生活ができるか想像していた。
百両の金をどう使うか、数刻も考え続けた。
一万両の金とはどういう概念だろうか?
それがあれば、自分は飛躍できたのではないか?
自分に丹爐を買い、師兄に飛び剣を買い、大きく強くなり、新たな輝きを創り出せたのではないか?
しかし残念なことに、これら全てを自分で台無しにしてしまった。
彼はとても辛かった。
許洛塵は数日間魂が抜けたような状態で、今でも頭がぼんやりしていた。
しかし、そのとき。
突然一行が現れた。
蘇長御は即座に飛び剣を隠した。この飛び剣には拡大縮小の陣があり、掌サイズまで縮小できた。
太華道人も思索から目覚め。
警戒の眼差しで遠くを見つめた。
しかし、太華道人が人影を確認すると、表情が少し沈んだ。
「おや、これは太華道友ではないか?なんという縁だね。」
遠くから。
一行が現れた。
先頭は老人で、二十歳前後の若者七、八人を連れて山道を歩いていた。
この一行は白い衣を着ており、別の宗門の弟子たちだった。
「白霊宗だ。」
蘇長御は眉をひそめ、太華道人の傍らに立ち、高慢な表情で彼らを見た。
この時、意気消沈していた許洛塵でさえ、白霊宗の弟子たちを見て、無理やり気を取り直した。
「なんという偶然でしょう、こんな山奥で陳門主にお会いするとは。」
太華道人は軽く笑ったが、その口調から、二人の関係があまり友好的でないことが窺えた。
「はっはっはっは、主に飛び剣での移動は面倒でね、たまには一般の修士の生活も体験したくなってね。」
「太華道人、まだここにいたのかい?我らが白果城の剣道会に参加しないのかい?」
白霊宗の陳門主は大笑いし、顔には得意げな表情を浮かべた。
太華道人が口を開く前に。
陳門主の声が続いた。
「ああ、そうだった、君たち青雲道宗はまだ三品に昇格していないんだったね、白果城の剣道会には参加できないだろう。」
「まあ気にすることはない、十年か八年かけて頑張れば、いつかは三品に昇格できる。もちろん、長御が剣術をもう少し上げて、青州剣道大会で百位以内に入れば、早めに三品に昇格できるがね。」
「長御よ、師伯として言わせてもらうが、そんなに見た目が良くても何の役に立つ?飯の種にもならんだろう。しっかり剣道を学びなさい。青州剣道の百位以内は無理としても、せめて三百位以内には入らないと。そうでなければ師父の顔に泥を塗ることになる。君の師父は昔、我らが青州剣道の俊才だったのだからね。」
陳門主は意地悪く蘇長御を諭しながら、同時に太華道人も一言皮肉った。
この言葉に、蘇長御は眉をひそめたが、反論も何も言わなかった。一つには相手の言うことが正しかったからで、二つには彼がそもそも争い事を好まなかったからだ。
しかし蘇長御が黙っていても、太華道人は沈黙を選ばなかった。
「陳門主の仰る通りです。ただし陳門主もしっかり努力なさってください。前回のように、自信満々だったのに、門下から誰一人五百位以内に入れなかったようなことがないように。長御は平凡かもしれませんが、少なくとも五百位以内には入りましたからね。」
太華道人は軽く笑いながら、同じように皮肉を返した。
しかしこの言葉に、陳門主は却って笑い出した。
「太華道友の仰る通りですよ。ただし今回は我が白霊宗も運が良く、資質抜群の弟子を得ましてね。たった三年で春雷剣勢を悟得しましたよ。あなたがたの青雲道宗には及びもつきませんがね。」
「ああ、そうそう、太華道友がどこからか弟子を招いたと聞きましたが、道友、私の一言を聞いてください。我ら修士は、飢えて死のうとも人を騙してはいけませんよ?」
「はっはっはっは、まあいい、太華道友、時も遅くなってきましたので、これ以上の世間話は控えましょう。我が宗の弟子が百位以内に入りましたら、必ず祝いの知らせを出しますので、その時は祝宴にいらしてください。」
陳門主は言葉鋭く、太華道人に全く機会を与えず、嘲り終えるとすぐに立ち去り、門下の弟子たちも共に笑い出した。
師弟三人を怒りと憤りで一杯にさせた。
「ふん、奴らの白霊宗が運良く霊脈のある山を選んだだけなのに、我らの青雲道宗が劣るはずがない!まったく小人が得意になって!なって!」
太華道人は袖を払いながら怒りの言葉を吐き、そして青雲道宗へと歩き続けた。
一方蘇長御は、黙したまま、もう飛び剣も見ず、何か心配事があるかのように、太華道人の後について歩いた。
許洛塵はもっと単純で、引き続き魂の抜けたような状態で、青雲道宗へと向かった。
山頂に着くまで。
突然、蘇長御の声が響いた。
「師父、私は青州剣道大会に参加したいと思います。」
声には決意が満ちていた。
その時、太華道人は立ち止まった。
彼は蘇長御を見つめ、少し沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。
「お前が?」