第77章:大威天龍、大羅法咒【新作応援お願いします】

度化金光?

全ての怨魂が凍り付いた。

彼らは全員その場に立ち尽くし、まるで幽霊でも見たかのように驚愕していた。

闇に潜む首領さえも、完全に呆然としていた。

この度化金光は彼らにとって、まさに致命的な武器だった。一瞬の照射で、鬼王以下の存在は即座に超度され、一切の弁解の余地もない。

そう、鬼王以下は即座に超度される。

鬼修界において、鬼王は人族の元嬰境修士に相当する。

つまり、元嬰境以下の鬼魂は、度化金光に照らされた瞬間、どれほどの未練や抵抗があろうとも、強制的に超度されてしまうのだ。

ただの孤魂野鬼なら、超度されても大したことはない。

しかし鬼修にとっては、何百年もかけて苦労して修練し、やっと鬼将の境地まで到達したというのに。

誰が転生などしたがるだろうか?

皇帝として生まれ変わるとしても望む者はいない。鬼将となれば、多くの試練は待ち受けているが、少なくとも希望が見える。いつの日か鬼仙になれる可能性だってあるのだ。

超度されれば転生する以外に道はない。

この世でろくな暮らしもできなかったのに、次の人生なんて考えられるはずがない。

シュッシュッシュッ!

大量の黒煙が立ち昇る中、この吊死鬼は焼かれているかのように極度の苦痛を示したが、すぐに正常に戻り、周囲に白い光が漂い、一筋の白光に掠められると、その場から消え去り、転生の道へと向かった。

彼には罪があり、人命を奪っていたため、度化金光が照らすと激しい苦痛を伴うのだ。

「逃げろ!こいつは本当に羊の皮を被った狼だ!」

我に返った怨魂が悲鳴を上げた。

次の瞬間、全ての怨魂が狂ったように四方八方に散り散りとなり、まるで足が何本もあればいいのにと願うかのように猛スピードで逃げ出した。

彼らは一様に恐怖に震え、尻尾を巻いて逃げ出し、もはやその場に留まる勇気すらなかった。

「待って!転生の手助けをしますよ、大丈夫、痛くありませんから、すぐに終わりますから!」

全ての怨魂が逃げ出すのを見て、葉平は焦り、大声で呼びかけ、引き止めようとした。

彼らを転生させるために。

しかし、この怨魂たちは既に魂も飛び出んばかりに恐れおののいていた。

もはやここに留まる勇気など持ち合わせていなかった。

転生だって?

ふざけるな、転生したければとっくにしているわ。お前に超度されるのを待っているわけじゃない!

狂ったように逃げ出す怨魂を見て、葉平は焦り、次々と度化金光を放った。

度化金光を一発放つたびに大量の法力を消耗する。自身の法力は豊富とはいえ、葉平も無駄遣いはしたくなかった。

しかし今は仕方がない、葉平も手加減するのを止めた。

シュッシュッシュッ!

シュッシュッシュッ!

葉平は一瞬のうちに五、六発の度化金光を放ち、度化金光に当たった怨魂は即座に激しい苦痛を味わったが、瞬く間に罪が清められ、転生へと向かった。同時に幾筋もの功德の力が葉平の体内に流れ込んだ。

これに葉平は大いに喜んだ。

しかし、人の喜びは他人の悲しみ。葉平は上機嫌だったが、この怨魂たちはもう限界だった。

全ての怨魂は青ざめ、中には恐怖のあまり泣き出す者もいて、地面に跪いて哀願した。

「上仙様、どうか命だけはお助けください。私たちは命令に従っただけです。超度なさるなら、私たちの大哥を超度してください。彼は西北の方角に隠れています。どうか私たちを見逃してください。」

「そうです、上仙様。私たちは命令に従っただけです。超度なさるなら、私たちの大哥を超度してください。彼は鬼士です。彼を超度すれば大きな功德が得られます。どうか慈悲を持って、私たちを見逃してください。」

この怨魂たちは大声で泣き叫びながら懇願した。彼らはこのまま超度されるのが耐えられず、自分たちの大哥を売り渡すしかなかった。

葉平はこの言葉を聞いて、目を輝かせた。

まだ鬼士が闇に潜んでいるとは?

葉平も鬼修の境界区分は知っていた。この鬼修たちは、練気七層、練気八層に相当し、所詮は小物の存在だ。

しかし鬼士は違う。築基修士に相当する。

もし度化に成功すれば、それは……

葉平は考えるのを止めた。

彼は手を振り、数十の度化金光を放って、これらの怨魂を一気に超度した。

鬼士がいるとはいえ、子供じみた選択などする必要はない。全て手に入れるのだ。

蚊の肉でも肉だ。しかも、これらの怨魂から得られる功德の力は決して少なくない。

西北の方角。

張野は自分の配下たちが次々と葉平に度化されていくのを見て、完全に呆然としていた。

彼は、この一見儒雅な若い修士が、度化金光を凝縮できるとは全く想像していなかった。

冗談じゃないだろう?

こんな若さで度化金光を育成できるなんて、将来どうなるんだ?

これは、仏陀の転生か?それとも道尊の転生か?

張野はもはや何を言えばいいのか分からなくなっていた。

しかし逃げ出そうとした時、自分の配下が自分を裏切ったことを聞き、張野は怒りと悔しさで胸が張り裂けそうになった。

だが怒っても仕方がない。自分の配下は全員超度されてしまい、怒りをぶつける相手すらいないのだから。

ここまで考えると、張野は身を翻して逃げ出そうとした。この場に長居する勇気などなかった。

しかし、走り出した途端、葉平の声が背後から聞こえてきた。

「友よ、苦しいのか?」

その声を聞いた瞬間、張野は背筋が凍る思いがした。彼は恐怖に駆られ、北の方向へと必死に逃げ出した。

「友よ、逃げるな。お前の体は怨念に覆われているが、毎日苦しみの中で生きているのだろう?」

「私が超度してあげようか?最初は少し痛いが、その後はとても気持ちよくなるぞ」

葉平の声が背後から絶え間なく聞こえてきた。

これは張野にとって耐え難い拷問のようだった。

彼は後悔していた。こんな大物に関わってしまったことを。

しかし張野を最も苦しめたのはそれではなく、この時代にまだ猪を装う虎がいることだった。

面白いのだろうか?

もうこんな時代なのに、まだこんな古くさい手を使うのか?

もっと堂々としていられないのか?

その後ろで。

葉平はすぐに張野の存在を察知した。

葉平の目には、張野の体が怨気に包まれているのが見えた。その怨気は非常に濃密で、先ほどの怨魂たちの怨気を全て合わせたよりもはるかに多かった。

葉平は思わず心が痛んだ。

一人の人間がこれほどの怨気を纏うということは、生前に極めて不当な扱いを受け、苦しみを味わったに違いない。彼は張野のことを哀れに思った。

彼は決意した。必ず張野を超度し、幸せと喜びを取り戻させてやろうと。

そう思うと、葉平は速度を上げて追いかけた。

葉平は御剣飛行を使わなかった。まだ上手く使いこなせないため、自分で走る方が速かったからだ。

彼は太古神魔體の持ち主で、その肉身は常識では計り知れないものだった。

葉平が両足に法力を込めると、瞬時に風のように走り出し、その速さは張野に引けを取らなかった。

「道友よ、逃げるな。私は善人だ。お前の怨気を清めて、新しい鬼として生まれ変わらせてやろうと思っているのだ」

葉平は追いかけながら大声で叫んだ。

「上仙様、私が無礼を働いてしまい申し訳ありません。どうか寛大なお心で私をお許しください。二度と天理に背くようなことはいたしません」

張野は泣き声で言った。今や彼の全身は震えており、特に葉平が追いつきそうになると、さらに恐怖が増した。

「道友よ、誤解しているぞ。私はお前に怒ってなどいない。私は正道修士だ。お前があまりに哀れなので、超脱させてやろうと思っただけだ。私を信じてくれ」

葉平はそう答えた。

「上仙様、私は今のままで十分です。度化は必要ありません。ご好意は有り難いのですが、どうか私を解放してください。こうしましょう、私が鬼王のところへご案内しますから。私のような小鬼を度化しても意味がありません。鬼王を度化してこそ真の実力です。鬼王を度化できれば、それこそ無量の功德というものです」

張野は大声で言い、葉平を鬼王の元へ案内しようとした。

「鬼王もいるのか?それはいいな。道友よ、もう逃げるのはやめて、一緒に鬼王を度化しに行こう。功德は半分ずつ分けよう。安心しろ、私はお前に手を出したりしない。私は名門正派の者だ、お前を騙したりはしない」

葉平はそう言った。

しかし葉平は愚かではなく、自分の実力をよく理解していた。鬼王など度化できるはずがない。

両者はまったく次元が違う。たとえ度化金光があったとしても、どうにもならないのだ。

「上仙様、冗談はおやめください。お願いです、私を解放してください。お願いいたします」

張野は泣き顔で、走りながら懇願した。

彼は葉平をまったく信用していなかった。

「道友よ、それは酷いではないか?私葉某がここまで言っているのに、まだ信じてくれないのか?ならば仕方がない」

「大威天龍殿」

「大羅法咒」

「世尊地蔵」

「般若諸仏」

「般若破魔の呪」

葉平は大声で叫び、全ての法力を集中させた。瞬時に彼の全身が金色に輝き、一筋の度化金光が逃げる張野を直撃した。

「あああああ!!!!!」

凄まじい悲鳴が響き渡った。

遠くで、張野は地面に倒れ、絶え間なく悲鳴を上げ続けた。

度化金光が彼を包み込み、黒い煙が彼の体から立ち昇った。

この黒煙は罪業を表している。彼は多くの罪を犯してきたのだから、当然その報いを受けねばならない。

葉平はそれを見つめていた。

彼には一片の憐れみもなかった。これは張野の業だ。過ちを犯せば当然罰がある。たとえ度化されるとしても、そう簡単に気持ちよく転生できるわけがない。

これが天理というものだ。

罪を犯した者は、たとえ誰かに度化されたとしても、まず身に付いた罪業を洗い流さねばならない。そしてその過程は極めて苦痛を伴うものだ。

天理に背くような行いをしていなければ、そこまでの苦痛はない。

このようにして、一刻ほどが過ぎた。

ついに、張野の体から黒煙が完全に消え去った。

そして極めて純粋な功德の力が、葉平の体内に流れ込んだ。