青州剣道大会の会場。
魏林は呆然とした。
北門の入り口に、次々と人影が現れた。これらは彼の部下たちで、すぐに見分けがついた。
自分の部下たちがなぜここに集まってきたのか?
一体何が起きているのだ?
それに、得道の高人って何だ?おい、はっきり説明してくれよ。
魏林は何が起きているのか分からなかったが、とにかく良くない予感がした。
そのとき。
一筋の金色の人影が現れた。その姿は、まるで天から舞い降りた神兵のように、全身が金色の光に包まれていた。
手を上げると、度化金光が放たれ、逃げ出した魔神教の弟子たちを一掃した。
「なんてこった、得道の高人?」
魏林は完全に呆然としていた。
話に出たと思ったら、すぐに現れるなんて、誰だって驚くだろう?
魏林だけでなく、司空剣天も驚いていた。
得道の高人!
こんな小さな青州に、これほど若い得道の高人がいるとは思いもよらなかった。
晉國全体でも得道の高人は四人しかいないが、その四人とも五百歳を超えている。
葉平がこれほど若くして得道の高人となるとは、これからどうなるのだろうか?
監天院にもこれほど若い得道の高人はいないのだ。
これはもはや鶏小屋から鳳凰が現れたというような単純な話ではない。これは鶏小屋から神龍が現れたようなものだ。
はっ!
突然、司空剣天は別のことを思い出した。
葉平の師兄は蘇長御である。
師弟がこれほど強いのなら、師兄はどうなのだろうか?
もしかしてこの蘇長御は本当に隠世の高人なのか?
しかし司空剣天が考えを巡らせる間もなく、対峙していた魏林が慌てて、五怨の翡翠古葫を収めて逃げ出そうとした。
得道の高人が現れて、魏林は恐れをなした。
葉平がどれほど強いかに関わらず、彼が司空剣天と手を組めば、自分は間違いなく死ぬことになる。
だから魏林は逃げ出した。君子危うきに近寄らず、というわけだ。
しかし司空剣天は瞬時に魏林の意図を察知し、すぐさま葉平に向かって叫んだ。
「葉平、早く度化金光で奴を浄化しろ!」
司空剣天は叫んだ。今、葉平が度化金光で魏林の防御を破れば、彼はこの魔を封じることができる。
「はい」
葉平はすぐに承諾した。そもそも彼は降魔のためにやってきたのだ。今、魏林は最大の魔頭であり、見逃すわけにはいかない。
度化金光が放たれ、金色の光が魏林の身体を照らした。
瞬時に、五怨の翡翠古葫が最初に震え始めた。大量の五怨古毒が引き戻され、黒い煙が立ち昇った。これは邪器で、中には無数の怨魂が閉じ込められ、苦しみを受け続けることで絶え間なく怨気を生み出し、最終的にこの瓢箪によって五怨古毒に練成されていた。
これは古寶である。
基本的に元嬰の老祖の手に渡るものだが、この古寶があったからこそ、魏林は司空剣天を抑えることができた。
しかし、それは主に司空剣天が油断しすぎていたせいだった。
魏林については、極めて深刻な打撃を受けていた。度化金光が彼の体を照らすと、まるで真火で焼かれるようだった。
一瞬のうちに、魏林は凄まじい悲鳴を上げた。
次の瞬間、司空剣天がついに出手した。
彼の眼光がこの瞬間、極めて鋭利になった。
カン!カン!カン!
純白の剣気が次々と放たれた。これは浩然正氣剣で、このような邪修を専門に克服する。
剣気は度化金光を通り抜け、薄い金色の層を纏い、その場で魏林の肉身を貫いた。
「あああ!」
魏林の悲鳴が響き渡った。
そしてちょうどその時、青州の数万の修士たちが大会の会場に到着し、この光景を目の当たりにした。
司空剣天は本当に怒っていた。
彼の剣気が縦横無尽に飛び交い、数百の剣気で魏林の肉身を粉砕しようとした。
「降参だ、降参します。司空剣天、私の命だけは助けてください。魔神教の本拠地がどこにあるか教えましょう」
魏林の慌てた声が響いた。
彼はもともと司空剣天には敵わなかったが、今や度化金光に抑え込まれている。誰がこんな状況に耐えられようか?
だから即座に、魏林は降参を申し出た。
「今さら降参しても、遅い!」
司空剣天は魏林に一切の機会を与えなかった。
彼には魏林に機会を与える必要もなかった。
剣気が炸裂し、虚空さえも砕け散った。司空剣天は金丹絕頂の強者であり、その上、剣道の造詣は極めて恐ろしく、すでに剣意を悟得している存在だった。普段なら魏林に出会えば、一合で斬殺できたはずだ。
油断さえしなければ、どうしてここまで引き延ばされることがあっただろうか?
「司空剣天、私にはまだたくさんの秘密があります。あなたが必ず知りたいと思うものが。司空剣天、私を生け捕りにすることもできるのに、なぜ殺そうとするのですか?晉國の君主の怒りを買うことを恐れないのですか?」
魏林は慌てた。
彼は完全に慌てふためき、立て続けに話しかけ、司空剣天が躊躇うことを期待した。
しかし残念なことに、司空剣天はわずかな躊躇いも見せず、むしろ目に嘲笑の色を浮かべていた。
晉國の君主?
彼の目には何の価値もないのだ。
ぷっ!
次の瞬間、魏林は司空剣天によって血の泥と化し、一つの金丹が浮かび上がったが、すぐさま司空剣天の剣気によって粉砕された。
この光景は血なまぐさかったが、数万人は目を背けなかった。
魔神教の襲撃により、青州では数えきれないほどの修士が非業の死を遂げていた。
彼らは敵を憐れむことはなく、特に魔族の修士は死んで当然だった。
「司空剣天、納得できないぞ!」
魏林の悲痛な叫び声が響き、その怨魂が現れた。それは四、五メートルもの高さを持つ怨魂だった。
さらに恐ろしいことに、魏林の怨魂は直接五怨の翡翠古葫に憑依した。
瞬時に古い瓢箪が揺れ動き、無数の怨魂の悲鳴が響き渡り、人間地獄の光景が再び現れた。修為の低い修士たちは、その場で気を失ってしまった。
「葉平、度化金光を!」
司空剣天は手を上げ、無尽の浩然正氣剣を放って怨魂を押さえ込みながら、葉平を呼んだ。一人の力だけでは、これほど恐ろしい怨気を抑制することは難しかったからだ。
「はい!」
この時、葉平はまるで感情のない度化の道具のようだった。
彼は両手を広げ、金色の天幕を展開した。無数の怨魂が度化金光の下で超脱していった。これらは怨魂ではなく、魔神教に殺された一般人の亡魂だった。
今や度化金光の下で、次々と輪廻へと超脱していった。
この瞬間、剣道大会は金色の雨が降るかのようだった。
同時に、大量の功德が惜しげもなく葉平の体内に流れ込んでいった。
轟!
しかし五怨の翡翠古葫は確かに恐ろしく、葉平と司空剣天の二重の抑制下でも、なお恐るべき力を爆発させ、一時は怨気が天を衝き、無数の亡魂が青州古城全体を席巻した。
「くそっ!」
司空剣天も魏林の怨力がこれほどまでとは予想していなかった。彼の浩然正氣剣に度化金光を加えても、なお抑制することができなかった。
「皆、急いで逃げろ。」
司空剣天は大声で叫び、人々に早急な退避を促した。
そして陳源の声も響いた。
「上仙、早く度化金光を強化してください。この五怨の翡翠古葫の中には、百万の怨魂がいます。これを全て超度すれば、昇天せずにはいられないでしょう。功德を惜しまないでください。」
陳源の声が響き、葉平に度化金光の強化を促した。さもなければ、魏林を抑制できなくなれば、大変な事態になるだろう。
「わかった。」
葉平は無駄話をせず、事の重大さを理解していた。
体内の全ての功德の力を、度化金光に注ぎ込んだ。
二千以上の功德の力が、一気に度化金光を再び変化させた。
これで六度目の変化だった。
あと三度変化すれば、度化金輪を凝結させることができる。
葉平が度化金光を強化するにつれ、金色の天幕はさらに大きくなり、その威力も以前より遥かに強くなった。
じじじ!
無数の功德の力が葉平の体内に流れ込んだ。
五怨の翡翠古葫の中の亡魂は、普通の亡魂ではなかった。彼らはこの邪器の中で、果てしない苦痛と拷問に耐え、心の中の怨気は計り知れないほどだった。
全てを度化するのは極めて困難で、そのため魏林は永遠に超生できない可能性を冒してまでも、古葫に憑依して、これらの亡魂を解き放ち、青州古城を鬼城に変えようとしたのだ。
第二の臨河鬼墓を作り出そうとしたのだ。
しかし不運なことに、魏林は図らずも葉平に出会ってしまった。
大量の功德が葉平の体内に流れ込んだ。
そして葉平はこれらの功德を全て度化金光に注ぎ込んだ。
一炷香の時間後。
度化金光は再び変化を遂げた。
亡魂を度化する速度はますます速くなり、その勢いも増していった。
怨念の深い亡魂たちも、葉平の度化金光の下では執念を手放さざるを得ず、輪廻転生へと向かっていった。
「葉平!死ね!」
魏林の声が響き、百万の怨魂の力を凝集させて葉平を抹殺しようとした。
しかし司空剣天もまた即座に、自らの剣意を放った。
かんかんかん!
青州古城のすべての剣修の劍器が共鳴して鳴り響いた。
次の瞬間、十数万の劍器が司空剣天の前に集まり、剣の盾となって魏林の攻撃を防いだ。
「葉平、安心して度化を続けろ。」
司空剣天の声が響いた。
彼は今この問題を本当に解決するには、葉平の度化金光に頼るしかないことを知っていた。さもなければ、魏林が永遠に超生できない代価を払って放つ最後の一撃は、青州古城を鬼城に変えるのに十分な力を持っていた。
さっさっさっ!
大量の功德が葉平の体内に流れ込んだ。
三炷香の時間後。
度化金光は八度目の変化を遂げた。
しかし魏林の攻撃はさらに激しくなり、百万の怨魂が怨気を天に衝かせ、司空剣天でさえも防ぎきれなかった。
彼は剣意無敵で、浩然正氣剣で怨魂の衝撃を防いでいたが、かなりの重傷を負っていた。
このまま引き延ばせば、彼も危険な目に遭うだろう。
しかし司空剣天は分かっていた。葉平が度化金輪を凝結させるまで持ちこたえれば、すべてが終わるということを。
だが司空剣天はもう一つのことも知っていた。
それは度化金輪は功德の力だけでは凝結できないということだ。
悟りが必要なのだ!
しかし彼はそれを言うことができず、ただ奇跡が起こることを願うしかなかった。