第113章：葉平、悟道にて清風来たる【新書、応援求む】
本当の度化金輪を凝結させるためには。
ただ功德を注入するだけでは済まないのだ。
もしそれほど簡単なことなら、悟りを開いた高僧たちは何もせずに、毎日怨魂を超度して、数十年もすれば度化金輪を凝結できるはずだ。
度化金輪は、単なる悟りを開いた高僧のレベルではなく、智慧と覚悟の象徴なのだ。
悟道してこそ、凝結できるものなのだ。
もし悟れなければ、どれだけ多くの功德を注入しても、度化金輪を凝結することはできない。
司空剣天は葉平が度化金輪を凝結できるとは期待していなかった。ただ葉平が早く九回目の変化を遂げ、度化金光の威力がより強くなることを望んでいた。そうすれば少なくとも魏林を効果的に抑制できるだろう。
魏林が好き勝手に暴れることを防ぐためだ。
大量の功德が葉平の体内に流れ込んだ。
ついに、一刻の後。
葉平の度化金光は第九回目の変化を完了した。
度化金光は金色の漆のように輝き、その所在する場所には、いかなる怨魂も近づく勇気がなかった。
魏林でさえも非常に苦戦していた。
「度化金輪を凝結させたいのか？司空剣天よ、お前は本当に妄想を抱いているな。彼如きで度化金輪を凝結させようというのか？」
「お前は度化金輪が何を意味するか知らないのだろう？教えてやろう。度化金輪は智慧の穴を開いてこそ、凝結できるのだ。」
「千年の修行もせずに、度化金輪を凝結させようなど、本当に笑止千万だ。」
「はっはっはっはっは、司空剣天よ、私が五怨の翡翠古葫を完全に制御できるようになれば、お前たち全員をここで死なせてやる。」
「お前たち全員を怨魂に変え、翡翠の古葫に封印してやる。永遠に苦しみの中でもがき苦しませてやるのだ。」
「はっはっはっはっはっはっは！」
魏林の笑い声が響き渡った。
青州の数万の修行者たちの表情が非常に厳しいものとなった。
天空殿では、魏林の体がどんどん大きくなっていった。彼は五怨の翡翠古葫と融合しつつあった。一旦完全に融合が成功すれば、魏林は古い瓢箪の中に融け込み、永遠に輪廻から解放されることはない。
しかし彼の怨念は極めて深く、この瓢箪は全ての者を中に吸い込み、内部の地獄へと送り込むだろう。そうなれば方円万里が不毛の地となり、青州に第二の臨河鬼墓が出現する可能性がある。
「葉平よ、金輪の凝結を試みよ。もし凝結できれば最高だ。もし凝結できなくても、私司空剣天が、どんなことがあってもお前を生かしておく。」
この時、司空剣天の声が響いた。彼の口調は穏やかだったが、その表情には比類なき自信が現れていた。
彼は葉平に安心して悟道に専念させ、影響を受けないようにと、葉平に安心感を与えたのだ。
「司空先輩のご厚意に感謝いたします。しかし、師匠は私に教えてくれました。我々剣修は、勇往邁進し、天下を睥睨すべきだと。もし本当に危険な事態になったら、司空先輩、どうか他の人々を避難させてください。葉某は生死を恐れません。」
しかし、葉平の声が響いた。
彼の眼差しには毅然とした決意が満ちていた。それは見せかけの空虚なものでも、偽りの慈悲でもなく、稀有な道心の表れだった。
司空剣天は驚いた。
彼は、葉平がこれほど若くして、このような揺るぎない道心を持っているとは思わなかった。
この者の将来の成就は想像もつかないものとなるだろう。
この瞬間、司空剣天の心にそんな考えが浮かんだ。彼は自分の青州第一という称号が、おそらく葉平に奪われることになるだろうと感じた。
この年齢で、この修為を持ち、剣道の造詣も極めて高く、さらに度化金光を使え、このような強固な道心を持っている。将来の成就は想像を超えるものとなるに違いない。
その時、司空剣天の脳裏に、再び蘇長御の姿が浮かんだ。
「葉先輩、自分を信じてください。」
「葉先輩、私たちは運命を共にします。もしあなたが死ぬなら、私たちも決して生き延びようとは思いません。」
「葉先輩、青州には臆病者は一人もいません。負担に思わないでください。もし死ぬとしても、少なくとも壮烈な最期となるでしょう。」
「葉先輩は無敵です！」
後ろから、数万の青州の修行者たちも次々と声を上げた。彼らは葉平の負担になりたくなかったし、葉平の重荷になることも望んでいなかった。
そのため次々と声を上げ、葉平に彼らのことを気にかけないでほしいと伝えた。
これらの言葉を聞いて、葉平は微笑みを浮かべた。彼はもう考え込むことなく、地面に座り、目を閉じた。
度化金光が剣道大会の会場全体を包み込んだ。
無数の視線が葉平に集中した。
境界が低ければ低いほど、修行者たちは葉平が度化金光を凝結できると信じていた。
しかし修為の高い者たちは、ため息をつくばかりだった。
彼らは度化金光の凝結がいかに難しいかを知っていた。わずかな希望はあるものの、それはあまりにも儚いものだった。
「城主様、葉先輩は度化金輪を凝結できるのでしょうか？」
ある修行者が我慢できずに陳正に尋ねた。彼らの心の中も確信が持てないでいた。
「難しい、青天に登るより難しい。」
陳正は首を振り、そう答えた。瞬時に数万の修行者の心が沈んだ。すでに予想していた者もいたが、陳正から直接その答えを聞いて、心は絶望に満ちていった。
「真の度化金輪を凝結させるには、必ず智慧の穴を開かなければならない。佛門の高僧も、道門の高人も、天命を行い、降妖除魔の後に、功德の力を得ることができる。」
「千の功德の力を凝結させれば、一筋の度化金光となり、度化金光が九回の変化を経た後、度化金輪を凝結することができる。」
「しかし度化金輪を凝結させるには、必ず智慧を悟らなければならない。もし智慧を悟れなければ、度化金輪を凝結することはできない。」
「いわゆる金輪とは、大智慧の象徴である。我が晉國では誰一人として度化金輪を凝結させた者はなく、十國の中でも、ただ一人だけが度化金輪を凝結させた。その者は度化金輪を凝結させるために、自ら記憶を封印し、化凡の術を使って苦修し、三百年の磨練を経て、最終的に智慧を悟った。」
「葉平は非凡な資質を持っているが、短時間で度化金輪を凝結させることは、ほぼ不可能だ。」
陳正は口を開き、度化金輪を凝結させることの難しさを説明した。
瞬時に、人々の気持ちはさらに重くなった。
「では私たちはどうすればいいのですか！」
「もうだめだ、今回は本当に死ぬしかない。」
「ああ、こうなるなら、青州古城になど来なければよかった。」
「今さらそんなことを言って何になる？富貴は天にあり、生死は運命にあり、これは運命の劫なのだ、逃げようとしても逃げられない。」
「諸君、もし葉先輩が度化金輪を凝結できなければ、我々は死を賭けて戦うしかない。少なくとも古葫の中で苦しめられるよりはましだ。」
修行者たちは議論を交わした。人々を奮い立たせようとする声もあったが、大部分の修行者は死のように静まり返っていた。死に直面して平然としていられる者はほとんどいなかった。
そしてこの時。
剣道大会のメイン会場で。
葉平の脳裏には、かつて師匠から伝授された度化経文が浮かんでいた。
経文は脳裏で光り輝いていた。
しかしこの経文には何か違和感のある部分があった。だがどこが違和感なのか、葉平にはわからず、理解もできなかった。
彼は思索を重ねていた。
もし悟れば、すべては自然と成就するだろう。しかし悟れなければ、永遠にこの境界に留まることになる。
一炷香の時間！
一刻！
二刻！
三刻！
魏林の怨念はますます強くなり、殺意もますます濃くなっていった。
彼はほぼ古い瓢箪と融合しかけていたが、最後の一歩で止まった。今は出手せず、完全に融合してから、皆を殺すつもりだった。
この時。
天空殿は墨のように暗かった。
大いなる夜が天を覆っていた。
葉平は老僧が入定したかのように、まったく動きを見せなかった。
全員が静かになった。
誰も声を出さず、葉平の邪魔をしたくなかった。
彼らが静かになるにつれ、青州古城全体が静まり返ったかのようだった。
そしてちょうどその時。
ふわり！
落ち葉が揺れた。
一陣の清風が静かに吹き寄せ、葉平の黒い滝のような髪を、そっと揺らした。
すぐに、一つの声が響いた。
「師匠、弟子は悟りました。」