青州城主府の中。
大広間にて。
青州城主は目の前の男を非常に恭しく見つめていた。
その男は七尺の背丈で、白い衣を纏い、流れるような髪が颯爽とした印象を与え、その容姿も極めて美しかったが、白い布で両目を覆っていた。
彼こそが司空剣天、青州の若い世代から敬愛される存在であり、また青州において三百年来、唯一十國學府に入った劍修でもあった。
目の前の司空剣天は、青州城主よりもはるかに高い地位にあり、晉國皇室でさえ彼に一目置いていた。修仙世界では、実力こそが全てなのだ。
朝廷であれ宗門であれ、個人の実力が全てを超越すれば、全ての上に立つことができる。
「司空道友にお尋ねいたしますが、今回城主府にお越しになられた理由は?」
青州城主は司空剣天を見つめ、言動のすべてに深い敬意を示した。
「魔神教の痕跡が現れた。私は命を受けて調査に来た。今回、魔神教は晉國の天才を暗殺し、それによって復活を図り、十國に威を示そうとしている。青州城内に何か異変はないか?」
司空剣天は平静な口調で語った。両目を覆っているため、その表情を窺い知ることはできなかった。
「魔神教ですか?彼らがまた現れたのですか?」
しかし青州城主は驚いた様子を見せ、まるでこの情報を初めて聞いたかのようだった。
「城主様、もう演技はよろしい。今回の来訪は命を受けてのことと申し上げた以上、すでにある程度の情報を掴んでいるということだ」
司空剣天は続けて言った。
「司空道友にお伺いしますが、どなたの命を受けられたのでしょうか?陳どのには全く心当たりがございませんが」
青州城主は依然として何も知らないような態度を取り続けた。
この言葉に対し、司空剣天は少しも怒る様子を見せず、ただ一本の令矢を取り出した。
その令矢は八角形で鉄製、表面には「監天」の二文字が刻まれていた。
瞬時に青州城主の表情が一変し、司空剣天に向かって恭しく一礼した。
「陳正、お目にかかります」
青州城主の陳正は極めて恭しい態度を示し、先ほどよりも数倍も丁重であった。以前の恭しさは相手の身分によるものだったが、今の恭しさは上下関係によるものだった。
目の前の司空剣天が大夏監天院に加わっていたとは、まさか思いもよらなかった。
そう、大夏監天院である。
これは十國の上に君臨する大夏王朝の重要機関なのだ。
いわゆる監天院とは、天地を監視する天の代行という意味で、大夏天子様直属の機関であり、先に斬って後に奏上する権限を持ち、下は民生や商工を管理し、上は朝廷の官員を統制する。
さらに監察官の令が下れば、大夏王朝領内のすべての仙宗道門や各王朝は全力で協力しなければならず、従わない者は容赦なく処刑される。これこそが監天院の恐ろしさと強大さだった。
しかし監天院は並の者が入れる場所ではない。天才の中の天才のみが、監天院の視野に入る機会を得られる。それも視野に入るだけであって、監天院での職に就けるわけではない。
これこそが陳正がこの令牌を見て表情を一変させた根本的な理由だった。
十國の間では、こんな言葉が伝わっている。「監天に入るも王とならず」と。その意味は単純で、一国の君主になるよりも監天院に加わることを望むということだ。
陳正にとって、監天院は極めて遠い存在であり、両者の差は雲泥の差で、まったく比較にならないものだった。
晉國の太子でさえ、監天院使者には及ばない。それが最も平凡な使者であってもだ。
令矢を収めると、司空剣天は監天使としての威厳を示すことなく、先ほどと同じように言った。
「では、話してもらえるだろうか」
司空剣天はそう尋ねた。
「司空様にご報告申し上げます。数ヶ月前、晉國朝廷より通達があり、三千の精鋭鐵騎団が青州城内に潜伏しております。しかし青州剣道大会の影響で、古城内の人数が非常に多く、一人一人の調査が困難で、現時点では魔神教の痕跡は発見されておりません」
青州城主は包み隠さず話した。
「まだ見つかっていないのか?」
司空剣天は少し疑問を呈したが、考えた後で続けて言った。「もっともだ。魔神教は抜け目がない。お前たちの配置は彼らもすでに知っているだろう。私の予想では、彼らが動くのは青州剣道大会の最中か、あるいは大会終了時だろう」
「これからの日々、城主様はしっかりと統制を取っていただきたい。城外での事なら良いが、城内で事が起これば、天才が一人でも死んだら、城主様の官位も危うくなるだろう」
司空剣天は平静に語った。
この言葉を聞いて、陳正は急いで言った。
「下官は命に代えても青州の俊才を守り、魔神教の畜生どもを決して成功させません。しかし司空様がお越しになった以上、魔神教も襲撃は控えるでしょう。結局のところ、司空様は十國に名を馳せた方、誰が挑もうというのでしょうか」
陳正はそう言って、同時に司空剣天におべっかを使った。
しかし、司空剣天は軽く笑い、まるでこの種のおべっかを楽しんでいるかのようだったが、すぐに首を振って言った。
「いや、むしろ私が来たからこそ、魔神教は必ず青州を襲撃するだろう。彼らの計画は天才を暗殺して、十國に威を示すことだ。普通の天才を殺しても、どれだけ殺そうと意味はない。しかし私を殺せば話は別だ。十國に名を馳せた剣道の天才が魔神教の手にかかって死んだとなれば、ふむふむ...」
司空剣天はここまで言って、それ以上は続けなかったが、その意図するところを陳正は理解できた。
そこで、陳正は厳かに敬意を示して言った。
「まさか司空様が自らを餌として危険を冒し、魔神教を誘い出そうとされているとは。このような度量の広さに下官は深く感服いたします!」
「ああ、いや、司空様が身を危険に晒されるとは、まるで仏様が身を切って鷹に与えるようなもの。司空様、あなたは、本当に偉大な方です」
「下官すぐに宴を設けさせていただき、司空様のこの偉大なる行いに敬意を表したく存じます」
陳正は真剣な面持ちでおべっかを使い、その言葉は極めて甘ったるく、人に何とも...居心地の悪さを感じさせた。
しかし司空剣天は首を振った。
「それは結構だ。それに私をそれほど良く思わないでくれ。私はただ命令に従っているだけで、偉大さなど語るまでもない」
「もういい、状況は把握できたので、私は去るとしよう」
司空剣天は少しも取り繕うことなく、心の内を率直に語った。彼は隠す必要もなく、偽る必要もなく、あるがままでよかった。
「司空様、お気をつけて」
「そうそう、司空様、今回の青州剣道大会へのご参加は、単なる表向きの理由なのでしょうか?」
陳正は自ら司空剣天を見送りながら、最後に好奇心から、この件について尋ねた。
「まあ、そうとも言えるし、そうでないとも言える。私は最近新しい剣術を研究していて、青州の俊才たちの実力を試してみたいと思っている。しかし安心してくれ、私は分別をわきまえている。強者が弱者を欺くようなことはしない」
「そうそう、私の身分については、城主様、どうか漏らさないでいただきたい。さもなければ、不要な面倒が起きるかもしれない」
司空剣天は非常に丁寧に言った。
陳正も光栄に思う様子で頷いた。
こうして、あっという間に翌日となった。
翌日。
まだ夜が明けぬうちから。
青州古城はすでに賑わいを見せていた。
一晩眠れなかった葉平も、青月飛劍を手に取り、一人で剣道大会へと向かった。
蘇長御の試合は辰の刻だったため、しっかりと休息を取ろうと考え、葉平一人を先に行かせた。
そして今。
剣道大会の開催地は。
すでに人で溢れかえっていた。