第105章:お兄さん、そんなに強いのになぜ逃げるの?釣りでもしてるの?【新作応援お願いします】

青州城外。

葉平は速度が極めて速く、山脈の中を駆け抜けていた。

しかし、彼の後ろには黒々とした数百の影が御刀飛行で追いかけてきていた。

この時、葉平の心情は複雑極まりなかった。

山を下りる前に御剣術を学んでおけばよかった。今となっては、もっと速く逃げられるはずなのに、両足で走るしかない。

これで彼がどうして苦しまないことがあろうか?

それに、皆さん、もう三刻も追いかけてきているじゃないか。

もう日が暮れかけているのに、まだ追いかけてくるのか?

疲れないのか?

葉平は泣きそうになった。生涯でこんなに酷い目に遭ったことはなかった。

「葉平、もう逃げるのはやめろ。我々はお前を害するつもりはない。お前に機縁を与えたいだけだ。」

ちょうどその時、声が響き渡り、葉平に逃げるのを止めるよう告げた。彼らももう限界に近づいていた。くそっ、もう三刻以上も追いかけているのに、しかも皆が御刀飛行で追いかけているのに対し、葉平は両足で走っているだけなのに、まだ追いつけない。

彼らは葉平が一体どんな怪物なのか不思議でならなかった。どうしてこんなに速く走れるのか?少しは機会をくれてもいいじゃないか?

「機縁なんていらない。こうしよう、追いかけるのをやめてくれれば、百年後に一人一つずつ大きな機縁を贈ろう。どうだ?」

葉平は山間を走りながら、大声で応えた。

しかし葉平のこの言葉に、魔神教の教徒たちは歯痛を覚えた。

「葉平道友、お互い一歩譲り合おう。我々は追うのをやめ、お前も逃げるのをやめて、座って茶でも飲もうじゃないか?」

「それは構わないが、急用があるんだ。今度にしないか?もし皆さんも急用があるなら先に行って、私のことは気にしなくていい。次にお茶を飲むときは私が奢るから、それでどうだ?」

「葉道友、なぜそこまでするのだ?我々は本当にお前のことを気に入っているのだぞ。」

「皆様、ご厚意は有難いのですが、古人も言うように、無理強いした瓜は甘くないものです。」

「葉道友、無理強いした瓜は甘くなくとも、喉の渇きは癒せるぞ。」

葉平:「......」

山間の中で。

葉平は本当に何を言えばいいのか分からなくなった。

この野郎ども、きっと自分を殺す気満々だ。

しかし仕方がない、戦っても勝てないし、逃げるしかない。

たとえ勝てたとしても、どうなる?

おそらく一組倒しても次の一組がやってくる。一度車輪戦に巻き込まれたら、逃げることすらできなくなる。

何か方法を考えないと。

何か方法を。

葉平は必死に考え、頭をフル回転させた。

しかししばらくして、葉平は泣きそうになった。なぜか分からないが、青雲道宗に入ってから、頭の回転が鈍くなった気がする。

長い間考えても良い方法が思いつかない。

これで葉平はさらに苦しくなった。

きっと知能が低下したに違いない!

この時、葉平は悲しみと怒りが入り混じった。

この世にこれ以上惨めなことがあるだろうか?

葉平が悲しみと怒りに打ちひしがれているその時。

突然、葉平は足を止めた。もう走り続けることはなかった。

生きることを諦めたわけではなく、現状よりもっと酷い事態に遭遇したからだ。

前方には巨大な峡谷が現れ、その幅は少なくとも五百メートルあり、峡谷の下は深淵だった。

つまり、逃げ道がなくなったのだ。

この瞬間、葉平は吐き気を覚えた。

やはり人が不幸なときは、雪上に霜を加えるようなものばかりで、奇跡はめったに起きないものだ。

終わった、終わった、終わった!

葉平は慌てた。

そしてちょうどその時、後ろの魔神教の教徒たちも次々と現れた。

この時、無数の視線が葉平に注がれた。

喜び、怒り、溜飲を下げる様子、残虐さ、冷たさ、様々な眼差しがあった。

彼らは三刻以上も追いかけ、追えば追うほど腹が立ち、怒りが増していった。今ようやく葉平の逃げ道を塞いだのだから、どうして気分が晴れないことがあろうか?どうして痛快でないことがあろうか?どうして爽快でないことがあろうか?

「逃げろよ!さあ、続けて逃げろよ!なぜ逃げないんだ?」

「くそっ、お前は逃げるのが好きなんだろう?続けて逃げろよ、なぜ逃げないんだ?」

「功勲値なんかいらない、だが奴の肉は自分の手で切り取ってやる。」

「奴の目玉を抉り出してやる、腹が立って仕方がない。」

「奴の骨を抜いてやる。」

「お前は逃げるのが上手いんじゃなかったのか?なぜ逃げないんだ?」

次々と声が上がった。この魔神教の教徒たちは陰険で狡猾なだけでなく、皆が極めて残虐な者たちで、人間性など微塵もないと言えた。

まさにそれゆえに、魔神教は公敵となったのだ。確かに他の魔教も悪事を働くが、それは利益を巡る争いのためだ。しかし魔神教のような存在はもはや魔教ですらなく、邪教であり、魔道さえも嫌悪する存在なのだ。

この時。

葉平は振り返り、深く息を吸い、群衆を見つめ、ぎこちないが礼儀正しい微笑みを浮かべた。

「皆さん、実は、私たちの間に何か誤解があるのではないでしょうか。」

葉平は口を開き、皆で座って話し合おうと提案した。

「誤解?安心しろ、誤解があるかどうかはすぐに分かる。」

「今すぐ跪いて許しを乞うなら、後で少しは肉体の苦痛を減らしてやってもいい。」

「ちっ、もったいない。こんなに良い容姿なのに。」

皆は笑いながら、目に嘲りの色を浮かべた。

こんなに長い間追いかけてきて、怒りがないはずがない。

今はもう逃げられないだろう?

「皆さん、本当に一つの生きる道も与えてくれないのですか?」

崖っぷちで。

葉平はすべての笑みを消し、重々しい面持ちで尋ねた。

「ふふふ!」

しかし相手からの返事はたった二文字だった。

この光景を見て、葉平は大師兄から言われた言葉を思い出した。

勝てなければ逃げろ!

逃げられなければ戦え!

今や追い詰められたのなら、いっそ玉砕しよう。一人道連れにできれば本望、二人なら損はない、三人なら大儲けだ。

そう考えると、葉平はもう言葉を費やさず、直接剣を抜いた。

葉平が剣を抜くのを見て、皆は一斉に大笑いを始めた。

「まさか、まさか?剣を抜く勇気があるとは?気が狂ったのか?」

「この世界に奇跡があると本当に思っている人がいるのか?」

「はははははは、お前がまだ剣を抜くとは?たかが練気一層の修士が、まだ剣を抜くとは?」

「お前の勇気は称賛に値する。だが残念ながら、この世界に奇跡は起こらない。」

皆は大笑いし、目に嘲りの色を浮かべた。

皆が嘲笑う中、葉平は動じなかった。

彼も包囲を突破できるかどうか分からなかったが、今は剣を抜かなくても死、剣を抜けば一縷の望みがあるかもしれない。

そう考えると、葉平はもう言葉を費やさず、今度こそ本当に手を抜かなかった!

十の仙穴を全開にし、無盡剣図を運転させ、四雷剣勢と天河剣勢を完璧に融合させた!

まだ剣を振るっていないのに、強大な剣勢がすでに漂い出ていた。

瞬時に、皆は笑えなくなった......

?????

彼は練気一層ではなかったのか?どうして剣勢を凝集できるのだ?

これはどういうことだ?

誰か大物が出てきて説明してくれないか?

魔神教の教徒たちは集団で呆然とした。

そしてちょうどその時、誰かが声を上げた。

「皆、慌てるな。彼はたかが練気一層に過ぎない。たとえ剣道の天賦が高くても、豊富な法力の支えがなければ、示される剣勢も大した威力は...」

誰かが声を上げたが、言い終わる前に、葉平は剣を振るった。

轟!

恐ろしい雷霆の力が飛び剣から漂い出た。

幾筋もの雷霆が、大河の流れのように、この場所を飲み込み、白い雷電が、彼らの頭皮がしびれるような威力を放った。

静寂!

静寂!

絶対的な静寂!

この魔神教の教徒たちはその場で凍りついた。

彼らは何を言えばいいのか分からなくなった。

同時に、反応する機会もなかった。四雷剣勢が襲来した時、一瞬で全員が四雷剣勢の下で命を落とした。

彼らが邪修で、怨力と他人の血液精魄で修行していることはさておき、最も恐れるのは至剛至陽のものだった。

葉平の四雷剣勢は、彼らにとって、まさに滅亡の災いだった。

そのため、誰一人としてこの一撃を生き延びることはできなかった。

そして神魔教の教徒たちは死の直前に呆然とした。

兄貴、お前がそんなに強いなら。

なぜ逃げたんだ?

ここで釣りでもしていたのか?

そしてこの瞬間、葉平も呆然とした。

しかしすぐに、葉平をさらに驚愕させる出来事が起こった。