第40章 私のところに妖怪なんているはずがないでしょう?

「霊薬を栽培するのはそんなに難しいのですか?」李念凡は少し驚いた様子で言った。「私にはそれほど難しくないと思いますが、試してみましょう」

こんな良い霊薬を、使い切ってしまうのは本当に惜しい。持続可能な発展こそが王道だ。

妲己は口を開きかけたが、何も言わずにいた。

まさか、今まで栽培したことがなくて、今回が初めての試みなの?

この世界は本当に狂っている。

でも、李どのが栽培したいというなら、そうすればいい。彼が幸せならそれでいい。

妲己は傍らで手伝い始めた。

しばらくして、李念凡は微笑んで言った。「よし、これらの霊薬を裏庭に持って行って、土も少し用意して、盆栽にしよう」

妲己は前髪の一筋をかき上げ、期待を込めて尋ねた。「私も一緒に行ってもいいですか?」

彼女は李念凡の裏庭がとても気になっていた。

あんな不思議なスイカを育てられる裏庭は、一体どんな様子なのだろう?

「もちろんいいよ」李念凡は頷いた。

妲己は喜色を浮かべ、すぐに李念凡の後ろについて行った。緊張と期待が入り混じっていた。

中庭の玉石の小道を進んでいくと、前方に三日月型のアーチ門が現れ、その向こうには朱色の木戸があった。

木戸は少し古びており、歳月の痕跡が見られた。

その木戸に近づくにつれ、妲己の心の中の緊張は強まっていき、さらには、逃げ出したい衝動すら感じた。

九尾天狐は心が霊的で、生まれつき非常に鋭い感覚を持っている。

彼女には予感があった。この門の向こうには大きな恐怖が、そして同時に大きな機縁が待ち受けているのだと。

これから、きっと最も信じられないような出来事を目にすることになるだろう!

「もし危険があっても、李どのが私を守ってくれるはず」妲己は李念凡の背中を見つめ、心の動揺が少し落ち着いた。

「ギィ」

門が開いた。

轟!

門の向こうから、想像を絶する道韻が天地を覆うように妲己に押し寄せ、一瞬のうちに、彼女はその道韻に飲み込まれた。

彼女の千年の修練、すべての悟りは、この道韻の前では完全な笑い物となり、取るに足らないものとなった。

この瞬間、彼女は自分が大海の一滴の水のように感じ、その中に溶け込んで自我を失った。