第76章 評価

「一体誰が私の力を借りていったのだろう?」雲芝は不思議に思った。不滅教団は家族ごと逃げ出し、誰一人残っていない。ただ一品宗門が買えるほどの山河の鼎だけが残されていた。

今となっては、誰が自分の力を借りていったのか分からない。

法術の中には「神降術」という種類があり、相手の許可を得て力を借りることができる。ただし、この法術は絶滅寸前で、習得も極めて困難だ。雲芝はこの法術を見かけなくなって久しい。

しかも、誰が自分の同意なしに力を借りることができたのだろう?雲芝は力を借りた人に悪意がなかったように感じた。だからこそ本能的に力の流出を止めなかったのだ。

雲芝はおそらく誰なのか察しがついた。

「でも彼はどこで神降術を学んだのだろう?」

雲芝は陸陽にそのような法術を教えた覚えがない。

……

第一位、陸陽。

「ん?第一位が変わった?」副教主は不思議そうに言った。先ほど逃げるのに必死で、陸陽が何をしたのか見ていなかった。

山河の鼎が壊れたため、再生もできない。

「しかし仙眼は間違えることはない。この三人の破壊力が最も強かったのだ!」教主は確信を持って言った。彼も陸陽が何をしたのか分からなかった。先ほどの第一位は短時間で数百人を殺し、数千人に致命的な危険をもたらした。陸陽がどうやってその人を一気に追い抜いて第一位になったのか、本当に不思議だった。

しかし、推測する必要もない。仙眼は仙人の至寶で、山河の鼎よりも高級なものだ。絶対に間違えることはない。

確かに、陸陽は雲芝を召喚して山河の鼎と不滅教団本部を破壊し、不滅教団に歴史上三本の指に入るほどの被害をもたらした。

教主に与えたダメージだけを見れば、第一位に値する。

教主は得意げに言った。体の痛みも忘れていた。「私が言った通りだろう?この陸陽という者には大きな知恵がある。一時的に順位が低くても、油断すると大きな動きを見せる。ほら見ろ、第一位になったじゃないか」

「孟景舟とお前が期待する蠻骨の成績が平凡に見えるのは、時間が足りなかっただけだ。時間があれば、必ず第二位か第三位は取れただろう」

副教主は心から納得した。教主はさすが教主だ。慎重に物事を進めるだけでなく、目も確かだ。自分が副教主で、相手が正教主なのも当然だ。

「では陸陽への評価は?」

教主はしばらく考えてから、ゆっくりと話し始めた。「陸陽は第一関で独特な剣術を見せ、武道の才能を示した。武を以て道に入るというのは、世にも稀な例だ。第二関では細かく観察し、法則を見出し、祭器の豆を買い占めて、後続の受験者の試験を不可能にした。その破壊性の高さが窺える。この特徴は第三関でより顕著になった。生まれながらの魔種と呼んでも過言ではない」

副教主は驚いた。教主と知り合って長いが、これほどの高評価を得た者を聞いたことがない。

「孟景舟は?」

「孟景舟は第一関で蜘蛛に噛まれて力を得た。これは運の表れであり、この大きな世の中では時運に恵まれた道種と言える。第二関では試験問題を丹念に研究し、多角的に問題を考え、一見傲慢に見えるが、一手一手が勝利を見据えており、計画も的確で、最終的に試験官の心理防御を突き破り、試験に合格した」

「残念ながら第三関では彼の長所を発揮する前に終わってしまった。陸陽にはやや劣るが、道魔降臨と言えるだろう」

道魔降臨という評価も極めて稀少で、若い世代でこの評価を得られる者は数えるほどしかいない。この孟景舟は将来有望なようだ。

「蠻骨は?」

「第一関では悟性があり、忍耐力があり、策略もある。第二関では問題を非常に周到に考えていた。ただ第三関ではあまり主体性がなかった。これまでの試験では極めて優秀な部類に入る成績だが、惜しむらくは前の二人がいたため、心中の魔という評価しかできない」

心中の魔という評価は、これまでの経験では、命を落とさない限り、不滅教団の上層部になれる評価だった。

「彼らを本部に呼んで重点的に育成しますか?」副教主が尋ねた。

教主は首を振り、自身の経験を語った。「そう急ぐことはない。まずは下層部から始めさせよう。最低でも二年の現場経験は必要だ。信じてくれ、現場経験は将来の成長に非常に役立つ。私もそうやって上がってきたんだ」

「それに私にはある計画がある。陸陽という者は型破りで、アイデアと破壊力に富んでいる。彼が成長したら、正道の宗門、例えば問道宗に潜り込ませることができないだろうか」

副教主は笑みを漏らした。教主は彼らを買いすぎているように思えた。他の宗門なら潜入の方法もあるだろうが、問道宗は難しすぎる。問道宗の弟子の考え方についていける者さえほとんどいない。潜入しても、すぐに違和感で見破られてしまうだろう。

問道宗への潜入など、そう簡単なことではない。

「私は傷の治療に行く」教主はそう言って、密室に入って休養に入った。

副教主は始めから権力を奪う意思はなかった。今日がその証拠だ。確かに教主を殺せば自分は一段上に上がれるが、その後はどうなる?正道が攻めてきたらどうする?自分は正しい判断ができるのか?

一度でも間違った判断をすれば、正道の技の下で命を落とすことになる。そうなってから権力を奪ったことを後悔しても遅い。

……

延江支部。

「合計十人が試験に合格し、そのうち三人が生まれながらの魔種、道魔降臨、心中の魔の評価を得た?!」支部長は教主からの伝言を聞いて、眉が上がるほど喜んだ。

これは自分の予想した最良の結果よりも良い!昇進のチャンスが目の前にある!

第一関と第二関を通過できなかった魔道散修たちは、気を失っている間に、十一名の執事が分かれて各地に捨てていった。彼らが目覚めた時には、延江支部の場所を忘れており、先ほどの出来事は夢だと思うだろう。

最も確実な方法は彼らを殺すことだった。そうすれば延江支部の場所が漏れることは絶対にない。しかし不滅教団は大局を考えて、そうはしなかった。

これらの魔道散修は各地で禍をもたらし、正道の注意を引くことができる。様々な混乱した情報の中で、正道は魔道散修の仕業と魔教の仕業を区別できなくなり、それによって視聴を惑わすことができる。

陸陽三人はゆっくりと目を覚ました。先ほどあまりにも多くのことが起こり、頭が混乱していた。

気を失う前に見た光景は...大師姉が天から降りてきた?!

陸陽は冷や汗を流した。大師姉は自分が彼女の姿に変身したのを見なかっただろうか。もし見られていたら、きっと皮を一枚剥がされることになる。

孟景舟と蠻骨も何が起こったのを思い出した。陸陽の象形拳法が本物の大師姉を召喚したのだ。

陸陽は目配せで二人に警告した。この情報を漏らすなと。二人は察して急いで頷いた。

支部長は心の喜びを抑えて、できるだけ平静な声で言った。「今日からお前たち十人は我が不滅教団の一員となる」

「本来なら入教の儀式を行うべきだが、今日は三回の試験で皆の体力を使い果たしてしまった。私も例外ではない。この状態で不朽仙人に参拝するのは、仙人への不敬となる。明日この場所で正式な入教の儀式を行おう」

陸陽は気づいた。不朽仙人について語る時の支部長の口調や、十一名の執事の表情が変化していた。

これは彼らが不朽仙人を信仰しているのが単なる建前ではなく、本当に不朽仙人の存在を信じているということを示している。

「なるほど、『教団』と呼ばれる理由だ」陸陽は考えた。

支部長は続けて言った。「しかし今日は新しい仲間が加わったのだから、祝わないわけにはいかない。こうしよう、みんなで食事に行こう」

「郡内に新しい焼き肉店ができたと聞いた。『もう一度』という店だ。味が良くて評判らしい。後でそこに集合しよう。私がおごる」

陸陽:「……」

孟景舟:「……」

蠻骨:「……」

休ませてくれないのか?