第86章 官府に潜む内通者（左拥祖国右抱孔代艦仙古月様の盟主打賞に感謝）

「今、多くの人々が眠気の症状を見せているが、もしかして逆壽命の符がすでに一般人の壽命を吸収し始めているのだろうか？」

蘭亭は首を振った。「そうではない。壽命は生命の根本であり、そう簡単には揺るがない。あなたの説明によると、ここ数日で人々が眠気を見せ始めたということだが、これは前兆に過ぎない。少なくとも半月は経過しないと、本当の壽命の吸収は始まらない」

「正式な壽命の吸収過程は非常に長く、気付きにくい」

「しかし、逆壽命の符には強制的に発動させる方法もある」

「どんな方法だ！」陸陽は追及した。

蘭亭は厳しい表情で言った。「逆壽命の符を節点として、逆壽命陣を配置し、人血を媒介として使えば、半月待つ必要なく大陣を活性化させ、凡人の壽命で自身の修為を高めることができる！」

実際、逆壽命の符と逆壽命陣は非常にマイナーな知識で、わずか数冊の書物にしか記載がなく、逆壽命の符が紛れもない邪道であるため、それを記した書物は禁書とされている。たとえ博識な陣法の大家でも、逆壽命の符の名前を聞いたことがある程度で、その図案は知らないだろう。

蘭亭は月桂仙宮の出身だからこそ、これらの禁書に触れる資格があったのだ。

彼女は陣法の道に深くは通じていないと自称していたが、今示された知識の蓄積は、「深くは通じていない」という言葉では到底評価できないものだった。

蘭亭はさらに言った。「しかし、逆壽命の符を書いた者は恐らく逆壽命陣は知らないだろう。逆壽命陣は発動前には眠気の兆候すら現れず、より隠密だ。ただし、逆壽命陣を準備中で、まだ完成していない可能性もある」

孟景舟と蠻骨は傍らで聞きながら、同じく問題の所在に気付いた。今や延江郡全体の人々が眠気を感じているということは、逆壽命の符が延江郡の各所に隠されているということだ！

暗躍する者の野望は大きい！

「逆壽命陣が発動したら、術者をどの境地まで引き上げられるのか？」

蘭亭は首を振った。「わからない。それは陣法がどれだけの壽命を吸収できるかによる。今の段階では見当がつかない」

「行こう、大石橋を見に行こう。そこにもあるかもしれない！」陸陽は三人を呼び出した。