第64章 真仙を殺せる仙宝?

二人の準仙!

その場にいた至尊や聖主たちは、目を見開いて驚きの表情を浮かべていた。

羅浮聖主が準仙の修為を持っているのは意外ではあったが、受け入れられないことではなかった。

結局のところ、それは底力が深く、歴史ある聖地なのだから。

しかし、神剣宗の宗主までもが準仙とは!

「また一人の準仙か、恐ろしい!」

「これまで噂一つなかったとは、二人とも本当に隠し通していたものだ」

「二人の準仙か……歴史上でも最も輝かしい紀元にしか、このような盛況は見られなかったのに……」

「二人の準仙が共に発言すれば、誰が阻止できようか?聖地でさえ無理だ!」

その時、皆が次々と感嘆の声を上げた。

慈航聖主ら強者たちも、同様に厳しい表情を浮かべていた。

二人の準仙が、場を睥睨していた。

「私は、羅浮道兄と曹兄の主張は間違っていないと思います」

この時、慈航聖主は微笑んで言った。「靈超道兄、元陽道兄、もう少し寛大になるべきではないでしょうか」

陣営を選んだのだ!

これまで、彼女の慈航聖齋は態度を示さなかったが、今この瞬間、二人の準仙が身分を明かし、勝利を確実にしたところで、ようやく態度を表明したのだ。

「ふふ、我々聖龍皇室もそう考えています。玄天界は皆一家なのですから、あなた方二家だけが肉を食べ、他の者たちが糠を食べるというわけにはいきませんよね?名山や大川、洞天福地、霊石の鉱脈など、全て再分配すべきです!」

聖龍皇朝のある皇主も、冷笑しながら口を開いた。

「そうだ、当然そうあるべきだ!」

「南域は、皆のものだ!」

「紫陽聖地と太衍聖地は、多すぎる!」

その時、南域以外から来た勢力の者たちが、皆一斉に声を上げた!

これまで沈黙を保っていたとしても、今はもはやその必要がなくなったのだ。

南域の分割は、二人の準仙が現れた瞬間に、既に決定事項となっていた!

だから今こそ声を上げなければ、これからの分け前にあずかれないのだ。

この光景を見て、上座の慕千凝たちは、非常に厳しい表情を浮かべた!

これが、人の心というものか?

善悪の区別など全くなく、あるのは弱肉強食だけだ。

「どうした、口が利けなくなったのか?面子を立ててやったのに、お前たちに少しは体面を保ってほしかったのだが、私に手を出させるというなら、宗門の滅びを招くことになるぞ!」