時が日々過ぎ、穆紫萱たち三人の腹も日に日に大きくなり、すぐに出産の日を迎えることとなった。
北郡から北王様が血月樓に暗殺されかけ、その後神秘な宗師様に救われたという噂が広まってから、北郡は一気に落ち着きを取り戻した。
これにより、多くの勢力は北王様の側にいる神秘な宗師様が常に北王様を守護しているのではないかと認識するようになった。
北王様は無能かもしれないが、その側にいる神秘な宗師様は侮れない存在だった。
八皇子様も夏帝の警告により、もはや路辰への暗殺を仕掛けることはなくなった。ただ王傾辭に北郡での監視を続けさせ、北王様が楚家と接触した際には即座に報告するよう命じていた。
この数ヶ月間、路辰は北郡の政務に忙殺されることもなく、北郡は相変わらず李睿郡守が統治していた。
ただし路辰は王府の土地を測量させ、また民衆に開墾させ、一万斤の種芋を全て植え付けさせた。
北郡には荒地が非常に多く、北王府による土地測量と開墾についてはあまり注目を集めなかった。
この頃、路辰は常に王府で穆紫萱たち三人の世話をしていた。三人とも出産が近いため、路辰は特に細やかな気配りをし、何か問題が起きないよう気を配っていた。
この時、路辰は穆紫萱の膨らんだ腹を優しく撫でながら、微笑んで言った。「愛妃よ、王府の事業は一時的に楚おばさんに任せなさい。これからはゆっくりと出産に備えるだけでよい。今はそれ以外のことを気にする必要はない」
この数ヶ月の間に、穆紫萱は石鹸産業と香水産業を百倍以上に拡大していた。今や大夏王朝全土で、貴族から庶民まで、みな彼らの王府で生産される香水と石鹸を使用していた。
これら二つの商品は非常に収益性が高かったが、北王様の事業であり、また都には穆長天が北王府の利益を見守っていたため、今のところ誰もこの二つの事業に手を出す者はいなかった。
路辰が最も予想外だったのは、穆紫萱が非常に優れたビジネスセンスを持っていることだった。彼女は香水と石鹸を組み合わせて、石鹸という商品を作り出した。
もちろん、これは単なる組み合わせではなく、石鹸は改良を加えられ、入浴用として使用できるものだった。
王府はこれらの事業により、毎月数十万両の収入を得ており、さらに穆紫萱は積極的に商路を開拓し、これらの商品を他国にも販売しようと計画していた。