都。
皇宮、御花園。
黄色い龍袍を着た夏帝が東屋に座り、手にした香り高いお茶を丁寧に味わっていた。
その時、鎧を着た兵士が突然彼の背後に現れた。
「陛下、八殿下様が九殿下様を暗殺しようとした噂は、大皇子様が広めたものだと判明いたしました」
この言葉を聞いた夏帝の手中の茶碗は瞬時に砕け散り、夏帝は冷ややかに鼻を鳴らして言った。「朕の子供たちは本当に落ち着きがなくなってきたな。まさか皆朕の死を待ち望んでいるのか?皆そんなにも皇太子の座に急いでいるのか?」
夏帝が怒りを露わにするのを見て、夏帝の向かいに座っていた國師の司徒策はすぐさま言った。「陛下、お怒りを鎮めください。皇太子の座が未定である以上、兄弟間で中傷し合うのは珍しいことではありません。もし陛下が早めに皇太子を立てられれば、殿下方の心も落ち着くかと存じます」
この言葉を聞いて、夏帝は冷笑して言った。「國師よ、お前だからこそ朕にそんなことが言えるのだ。他の者が朕に早く皇太子を立てろなどと言えば、必ずや百回の鞭打ちを命じていたところだ」
ここまで言うと、夏帝は石の腰掛けから立ち上がり、手を後ろに組んで御花園の蓮池を眺めた。
「正直なところ、都で起きたことよりも、九ちゃんがどうやって生き延びたのかの方が気になるな」
夏帝の考えは路書雲と似ていた。たとえ楚家が神秘な宗師様を一人派遣して路辰を守らせていたとしても、血月樓の今回の暗殺は大方成功するはずだった。
影衛から得た情報によると、血月樓は今回半歩宗師一人と九級の者を五人、北郡に派遣していた。
さらに路書雲自身が北郡に配置していた手駒もあり、彼らが一斉に動けば、たとえ宗師が一人いたとしても、北王様が生き延びる可能性は低かったはずだ。
しかし北王様は確かに生き延びた。
これは夏帝に疑問を抱かせた。北王様の側にいる神秘な宗師様は、本当に単なる宗師に過ぎないのだろうか?
司徒策はこの時言った。「九殿下様が生き延びられたのは、おそらく九殿下様の命運がまだ尽きていなかったため、運が味方したのでしょう」
夏帝は淡々と言った。「まあよい、この茶番も終わりにしよう。楚家が最近北郡の九ちゃんと接触していないのなら、九ちゃんを北郡で好きにさせておこう。これからは朕も彼のことには関わるまい」