第90章 新しい情報

白卿卿は自分がもはや夏帝を裏切らざるを得ないことを知っていた。彼女の身分は路辰に見破られ、体も路辰に支配されていた。

今の彼女には路辰に降伏する以外の選択肢はなかった。

そして彼女の心は既に完全に路辰を受け入れていた。彼女にとって、夏帝の道具になることと路辰の道具になることに何の違いもなかった。

彼女は影衛に対して元々帰属意識がなく、今は路辰に支配されて、路辰の人になるのも当然だった。

ただ、彼女はまだ路辰の女になることに慣れていなかった。感情が蘇る前は、路辰に抱きしめられたり、キスされたりしても、何とも思わなかった。

しかし今は違う。路辰と肌が触れ合うだけで体が疼き、熱くなり、心の中に理解できない感覚が生まれる。

特に昨夜のあの感覚は、より一層理解できなかった。自分がまるで別人のように変わってしまったことが分からなかった。

路辰の前で乱れた声を上げるだけでなく、路辰のことを「ご主人様」「お兄さま」「夫君」などと呼んでしまった。

彼女は自分の体の中に別の魂が宿っているのではないかと疑うほどで、昨夜起きたことは全て自分とは関係なく、その魂が引き起こしたものだと思った。

この時の路辰も、もはや白卿卿の口先だけの服従にこだわることはなかった。どうせ彼女の心は既に自分のものになっているのだから。

路辰はこの時、白卿卿の艶やかな体を抱きしめながら体を翻し、彼女の柔らかな体の上に覆い被さり、高みから彼女の冷艶な顔を見下ろした。

白卿卿はこの時、再び昨夜のような奇妙な感覚が湧き上がってきた。功力を運転して自分の体のこれ以上の疼きを止めようとしたが、すぐに自分の功力が再び消えていることに気付いた。

白卿卿はようやく理解した。自分は路辰の体に触れるだけで功力が消えてしまうのだと。

ただし例外もあった。路辰と感情を育むときは、功力が戻ってくる。なぜなら、そのとき彼女の体内の內力と路辰の內力が円を形成し、二人の体内を絶え間なく循環するからだ。

しかし今のような状況では、功力を運転することはできなかった。

氷山美人が恥じらう様子を見て、路辰は急に遊び心が湧いてきて、また悪戯を始めた。

白卿卿の艶やかな体はますます熱くなり、銀歯を軽く噛み、美しい眉を寄せた。

路辰は見れば見るほど彼女を苛めたくなった。