部屋の中の灯火の光は弱かったが、楚語琴は部屋の中の二人の顔と、二人がしていることをはっきりと見ることができた。
楚語琴は急いで功力を運転し、素早く冷静さを取り戻した。
その後、彼女の心にある種の物悲しい感情が湧き上がった。
白卿卿が昼間に王府に来たばかりなのに、路辰というこの悪い奴は夜になるとこっそりと彼女のベッドに忍び込み、夫婦の契りを結ぼうとしている。
楚月は元々白卿卿を路辰のお側仕えにするつもりだったが、せめて北郡まで来たばかりの人を休ませてからにすればいいのに。
その日のうちに侍寝させるなんて、そんなことがあるものか。
さっきまで暗殺者が王府に侵入したのかと思ったのに、結局はこの悪い奴だった。
楚語琴はため息をつき、もう見続ける気にもなれなかった。
彼女はすぐに身を翻し、doorから離れた。
白卿卿は元々路辰の侍女なのだから、路辰が白卿卿に何をしようと、楚語琴はあまり関与するつもりはなかった。
たとえ子供ができても構わない。その時は白卿卿に縁談を見つけ、養父母を決めて、それから北王府の側室として迎えればいい。
楚語琴が去った後、路辰と白卿卿はキスを続けた。
白卿卿は最初、もう何も気にならないと思っていた。どうせ小さい頃から路辰に触られ続けてきたのだから、路辰が彼女の体に何をしても、何も感じないはずだった。
しかし、すぐに状況がおかしいことに気付いた。
二人のキスは彼女の体を異常に昂ぶらせ、まるで暖かい流れが全身を巡るかのようだった。
彼女は生まれてこの方、このような感覚を初めて体験した。
白卿卿は何が起きているのか全く理解できなかった。
実は彼女が皇宮にいた時、皇宮の女官たちから男女の営みについての知識を教わっていた。結局のところ、彼女は当初から路辰のお側仕えとして育てられていたのだから。
しかし、その時の彼女は感情が封じられていたため、たとえ路辰に抱きしめられ、肌を寄せ合っても、何も感じることはなかった。
だが今は違う。彼女の感情は目覚め、さらに十数年も封じられていた感情が、まるで決壊口を見つけたかのように突然爆発した。
路辰はもはや白卿卿の玉手を束縛せず、両手を正しい場所に使っていた。