第七十七章 千の敵を一掃する(上)
この時、鬼樓の外から一人が入ってきた。その者が放つ王侯の気配に、孫長老たちは顔色を変えた。
「董聖龍――」入ってきた人物を見るなり、孫長老は思わず叫んだ。
「曹雄、この小僧が天命秘術の鍵だとは聞いていなかったぞ!」董聖龍は李七夜に目を向け、目を細めて笑いながら言った。「つまり、この小僧を手に入れれば、洗顏古派の帝術が手に入るというわけか!」
「董どの、今は責め合う時ではありません!」曹雄は重々しく言った。「今は手を組んで、まずここから離れるべきです!」
董聖龍は曹雄を一瞥し、冷笑して言った。「曹雄、その程度の謀略で私に指図できると思うのか?ふん、今回も私が見張っていなければ、お前はとっくに死んでいたぞ!」
「曹雄、外部の者と結託し、宗門を裏切るとは、万死に値する罪だ!」周長老は厳しく叱責し、四人の長老たちも怒りを露わにした!
曹雄の顔色が青ざめたり赤らんだりしたが、最後には冷たく一声鼻を鳴らし、もはや弁解する気もなくなった。董聖龍が現れた以上、もう決着はついているのだから。
董聖龍は四人の長老たちを見て、嘲笑いながら言った。「老周よ、確かにそれは事実だ。だが、今日が過ぎれば、それは事実ではなくなる。へっ、李七夜が九聖妖門と結託し、洗顏古派の帝術を盗もうとしたところを、お前たち四人の長老に発見された。そして裏切り者と九聖妖門の継承者である李霜顏と戦い、両者とも戦死した、というわけだ。」
「古鐵守についてはな、曹雄と私が手を組んで陣圖に突入し、烈戰侯を打ち破って強敵を撃退したが、古鐵守は陣の中で重傷を負い、不治の病で亡くなった。洗顏古派の蘇雍皇は軟弱無能で、大難が迫るや辺境に逃げ込み、戦う勇気もない。洗顏古派の上下は彼女の宗主の位を剥奪すべきだ。そして曹長老は派を守る功績があり、門下弟子たちの支持を得て、洗顏古派の宗主となる。」董聖龍は滔々と語った。
四大長老はこの言葉を聞いて顔色が極めて悪くなった。曹雄一人なら恐れることはないが、董聖龍が現れた以上、もう決着はついている。四人が力を合わせても、董聖龍と争うことは難しい!