「人皇陛下様、やはり恐ろしい——」この「赦」の文字を見た途端、遠くから見ていた修士たちも思わず感動し、つぶやいた。「人皇陛下様は、本当に測り知れないお方だ」
一つの「赦」の文字で王侯を震え上がらせることができるとは、寶聖上國の人皇がいかに恐ろしい存在であるかが想像できる!洗顏古派の他の者たちも、思わず冷や汗を流した。
この一つの「赦」の文字だけでも、寶聖上國の人皇がいかに恐ろしい存在であるかがわかる!
「古鐵守、陛下様の御手が此処にある。早く人を解放せよ!」紫山候は重々しく言った。聖詔を手に持ち、威圧的な態度で人々を息苦しくさせた。
古鐵守はその「赦」の文字を見つめ、首を振って言った。「董聖龍と烈戰侯は我が洗顏古派を覆滅しようとした。人皇の手詔であっても許すことはできない!処刑を執行せよ!」
古鐵守の言葉に紫山候は顔色を変え、厳しく叫んだ。「古鐵守、自ら誤りを犯すな。聖詔に逆らえば、お前の洗顏古派に滅びをもたらすことになるぞ!」
「執行せよ!」古鐵守は彼の言葉を無視して、厳かに命じた。
「待て——」古鐵守の強硬な態度を見て、紫山候は顔色を変え、叫んだ。この時点で、彼も譲歩せざるを得なかった。もし董聖龍と烈戰侯を連れ帰れなければ、彼が責任を果たせないだけでなく、人皇の威厳も挑戦されることになるだろう。
「古鐵守、私が董どのと烈戰侯を連れて行く。魔背嶺が開かれる日に、お前の洗顏古派にも一席を与えよう」この時、紫山候は譲歩して、重々しく言った。
紫山候のこの言葉を聞いて、古鐵守も一瞬躊躇した。魔背嶺は、洗顏古派にとってあまりにも重要だったからだ。
彼は李七夜の方を見た。李七夜は笑みを浮かべて言った。「魔背嶺は元々我が洗顏古派の領地だ。寶聖上國からの恩賜など必要ない!斬れ!」
李七夜のこの言葉に紫山候は震えながら怒り、聖詔を掲げて叫んだ。「若造め、お前は事の重大さがわかっているのか。聖詔が出されたからには、これに逆らえば必ず寶聖上國のすべての門派から討伐されることになるぞ!」
「一枚の紙切れで、私の前で威張るとは!」李七夜は目を細め、言葉が終わるや否や、懐から古琴を取り出した。
「ビーン——」という琴の音が響き、洗顏古派の中から一筋の劍光が立ち上った。劍光が落ちた時、聖詔は粉々になり、「赦」の文字は真っ二つに斬られた。