この2日間、九条結衣に会っていないのに、彼女の顔が何度も頭に浮かび、いても立ってもいられなくなっていた。
携帯電話をじっと見つめた後、藤堂澄人は意を決して九条結衣に電話をかけた。
電話の着信音が鳴り響く。九条結衣は、4年経っても忘れられない番号が表示されているのを見て、表情を曇らせた。
以前、藤堂澄人が自分に電話をかけてくることはなかった。この2日間で、何度も電話を切っているのに、またかけてくるなんて、一体どうしたのだろう。
結婚していた3年間よりも、この2日間の方が、藤堂澄人からの電話が多い。立場が逆転したようだ。
「電話をずっと見てるけど、どうして出ないんだ?」
ふざけた口調で話しかけられ、九条結衣は我に返った。慌てて携帯電話をカルテの下に隠し、電話を切るのも忘れて、目の前の男を見上げた。見るからに女たらしの雰囲気だ。