129.本当に離婚した

そのため、九条政を散々罵倒した後、二人の離婚を認めることにした。

小林静香が九条家を去り、九条結衣も当然九条家に留まる必要がなくなった。

この二人の離婚を最も喜んだのは、木村母娘だった。

「お母さん、父さんが小林静香と離婚して、結衣も九条家を出たわ。これからは九条家は私たちのものよ」

木村靖子は興奮を抑えきれず、九条家のお嬢様として上流社会の様々な場所に出入りする未来を夢見ていた。

そうなれば、彼女は九条家のお嬢様で、誰も彼女のことを私生児とは言わなくなる。藤堂家のあのお婆さまも彼女を見下すことはできなくなるはずだ。

彼女の身分が上がれば、藤堂澄人も必ず彼女の良さに気付くはず。藤堂瞳の助けもあれば、いずれ藤堂家に嫁ぐことができるに違いない。

木村富子も同様に興奮していた。この日をどれほど長く待ち望んでいたことか。表に出られない愛人として、どれだけ多くの白い目で見られてきたことか。ようやく日の目を見ることができる。