「私にはママがいるの。きれいで頭が良くて、スタイルも抜群。お金も稼げるし、医者として人命も救えるの。あなたの額の相を見ると運気が悪くて、肝火が旺盛みたい。きっと奥さんがいないからだと思うわ。私のママのことを知ってみない?」
松本裕司「……」
これは……ママを売り込もうとしているのか?
この子は目が利くな。一目で我が社のイケメンで金持ちの社長に目をつけたか。
松本裕司が驚いている最中、携帯に一通のメッセージが届いた。奥様の子供を調べるよう依頼した人からだった。
開いてみると、そこには一枚の写真があった。
松本裕司「!!!」
藤堂澄人の隣にいる小さな子供を見て、もう一度……!!!
「社長」
松本裕司は、まだ衝撃を受けている藤堂澄人に低い声で呼びかけ、手元の写真を渡しながら小声で言った。「奥様の息子です」