九条結衣はメールを開いて丁寧に確認し、その後宮崎社長に電話を返した。
「宮崎社長、メール拝見しました。問題ありません。すべてご指示通りに進めさせていただきます。」
仕事の話になると、九条結衣は自然と夢中になってしまい、足がまだ歩けない状態であることも忘れ、宮崎社長と電話しながらダイニングチェアから立ち上がろうとした。
「はい、すぐに書斎で処理してまいります。」
藤堂澄人は彼女が立ち上がる動作を見て眉をひそめた。九条結衣の足が床に着いた瞬間、痛みで即座に足を引っ込め、バランスを崩して床に倒れそうになった。
幸い、藤堂澄人は彼女の近くに座っていたため、彼女が倒れる前に素早く腕の中に抱き留めた。
九条結衣は先ほどの出来事に驚いており、さらに無意識のうちに立ち上がって歩こうとしたため、捻挫した足に余計な負担がかかり、今は激しい痛みを感じていた。藤堂澄人の服をしっかりと掴み、心臓が激しく鼓動していた。