174.彼女を諭す

「パパ!」

明らかに、九条初は藤堂澄人を見て嬉しそうで、二階から飛び跳ねて降りてきて、一気に藤堂澄人の体に飛びついた。

藤堂澄人は息子が自分を見てこんなに喜んでいるのを見て、心が温かくなり、息子を抱きしめながら、小さなお尻を持ち上げて、「重くなったな」と言った。

「おばさんが毎日美味しいご飯作ってくれるの」

初は藤堂澄人の首に抱きついたまま、甘えた声で答えた。

初が藤堂澄人に自分のことを褒めているのを聞いて、小林由香里は顔を輝かせたが、藤堂澄人を見ると、彼は相変わらず自分を見ようともせず、ただ息子を抱きながら笑顔で話し、九条結衣の隣に座った。

小林由香里の笑顔は口元で凍りついて、しばらく声も出ず、何を考えているのかわからなかった。

「小林さん、立っていないで、座って食事をしなさい」