177.この借りをどう清算する

「四年……」

藤堂澄人は目を伏せて、九条結衣の赤く熱くなった頬を見つめながら、かすれた声で言った。「四年も俺を置き去りにして、四年も禁欲生活を強いられた。この借りをどう返してもらおうか?」

九条結衣が何か言おうとした瞬間、彼の強引なキスで遮られた。

そのとき、藤堂澄人が脇に置いていた携帯電話が突然鳴り出し、熱い雰囲気が一瞬にして途切れた。

九条結衣の理性が一気に戻り、自分の露わな姿を見て、顔色が一変した。

藤堂澄人を押しのけ、布団を引き寄せて身体を覆ったが、すでに全身に藤堂澄人の痕跡が残されていた。

藤堂澄人は顔を曇らせながら携帯電話を手に取り、画面を確認すると見知らぬ番号だった。切ろうとした指が滑って、スピーカーフォンのボタンを押してしまい、彼が何か言う前に、木村靖子の興奮した声が聞こえてきた。