219.贅沢になった

実際のところ、彼女は藤堂澄人が一体何をしたいのか分からなかった。離婚を進めている二人が、深夜に同じ部屋にいるなんて、違和感を感じないのだろうか?

九条結衣は藤堂澄人のことをクズだと思っていた。わざと自分に逆らい、病気になった時でさえ安らぎを与えてくれない。

まあいい、ここに残りたいなら残ればいい。

九条結衣は彼を無視することにした。今は、めまいは少し和らいでいたが、まだ体調は優れなかった。

ベッドに横たわろうとして布団をめくった時、彼女は一瞬戸惑った。先ほど吐いて汚してしまった布団が、きれいに取り替えられていた。看護師がいつの間にか交換してくれたのだろうか?

九条結衣はそう考えながら、藤堂澄人の方をちらりと見て、そのまま黙って横になった。

藤堂澄人という大きな存在がそこにいることで、九条結衣は気が散りやすかったが、体の自然な反応には逆らえず、先ほどの出来事で更に疲れていた。