本当に奥様の言うことを聞いて、静かに横で美男子をやっているんだな。
数人の噂好きな株主たちは心の中で密かに笑った。
「では、他に用がなければ、散会としましょう。」
最初から最後まで、怒りで顔色が青ざめていた九条政は一言も発しなかった。九条結衣が散会を提案すると、彼は真っ先に席を立って外へ向かった。
ドアの前で、まだ諦めきれずに振り返って九条結衣を睨みつけ、「覚えておけよ」と言った。
「そうは問屋が卸さないわ」
九条結衣は彼に冷ややかな視線を送り、九条政をまたしても気絶しそうなほど怒らせた。
藤堂澄人は九条結衣の傍らに立ち、妻のクールさの中に垣間見える茶目っ気のある様子を見て、目の中の笑みがさらに深まった。
「その15%の株式、本当に要らないのか?」
九条結衣は彼を一瞥して、「買えないわ」と言った。