木村靖子は木村富子に大義を説き始めた。「お母さん、私たちまで終わってしまったら、叔父さんを守れる人はいなくなってしまうわ」
木村富子はこの言葉を聞くと、顔の迷いが即座に確信に変わった。「そうね、あなたの言う通りよ。今すぐ叔父さんに電話するわ…」
そう言いながら、ソファの横の固定電話を手に取ろうとした時、使用人が外から慌てて走ってきた。「大変です、奥様!木村さんが…木村さんが外で…」
「何ですって?」
木村富子は受話器を持つ手が激しく震え、ソファから立ち上がった。「はっきり言いなさい」
使用人の青ざめた顔色を見て、木村富子は心臓が激しく鼓動した。
「木村さんが正門の前に放置されていて、ひどい…ひどい重傷を負っているようです」
木村富子と木村靖子は同時に両足の力が抜け、顔から血の気が引いた。しばらくして、やっと気を取り直し、「見に行きましょう」