367.藤堂澄人が死んだ

夜中に彼女は突然目を覚まし、瞬きをした瞬間、目尻にはまだ湿り気が残っていた。彼女は一瞬戸惑い、手で頬を拭うと、それは涙だった。

胸に手を当てると、心臓がまだ激しく鼓動していた。

彼女は今しがた...藤堂澄人が死ぬ夢を見ていた。

全身血まみれで彼女の前に倒れていた。それを思い出すだけで、彼女の心臓は制御できないほど震えた。

病床の藤堂澄人に目を向けると、彼はまだ静かに眠っていたが、いつの間にか眉間にしわを寄せていた。

点滴スタンドを見上げると、もう終わっていた。看護師がいつの間にか来て針を抜いていたようだが、彼女は全く気付いていなかった。

どうやら、彼女は藤堂澄人のことをそれほど気にかけていなかったようだ。

リクライニングチェアに呆然と座ったまま、強く顔を拭い、ふと笑みを漏らした。

いつか、本当に藤堂澄人のことを完全に手放せる日が来るのかもしれない。

藤堂澄人が目を覚ましたとき、すでに夜が明けていた。

窓の白いレースカーテンを通して差し込む陽光が、彼の目を刺すように眩しく、なかなか目を開けられなかった。

無意識に手で目を覆ったが、次の瞬間、動きを止め、急に体を起こした。「結衣」

九条結衣の姿を探そうと目を向けると、彼女はベッドの横のリクライニングチェアで静かに眠っており、まだ去っていなかった。

彼は一瞬戸惑い、次の瞬間、抑えきれない笑みが口元に浮かんだ。

結衣が帰らなかったなんて。

彼は彼女を起こすことなく、ただ静かに朝の寝顔を愛でていた。

眠っている九条結衣は、起きているときのように彼に対して冷たく距離を置き、とげのある言葉を投げかけ、彼の心を千々に刺し貫くまで気が済まないという様子ではなかった。

これは全て自分の自業自得だと分かっていた。しかし、彼女があのような冷たく疎遠な目で彼を見るたびに、彼の心は無数の刃物で刺されたかのように、鈍く痛んだ。

彼はそのまま九条結衣をじっと見つめ続けた。まるで一生分の時間をこの瞬間に費やして、見飽きるまで見つめようとするかのように。

しかし、彼が九条結衣を見つめて夢中になっているとき、横向きに寝ていた彼女が突然動き、そして不意に目を開いた。