385.巣を乗っ取って優越感に浸る

木村富子の顔色は、さらに悪くなったが、二人の険しい目つきに出会うと、木村富子は怖気づいて何もできず、ただ歯を食いしばって言った:

「何をするつもり?」

「私たちは九条さんを守るために来ました。お嬢様に危害を加えようとする者は、誰であれ容赦しません」

先頭のボディーガードが無表情で言い、鋭い視線を木村富子の顔に向けると、彼女は思わず体を震わせ、一歩も前に進めなくなった。

二人のボディーガードを挟んで、九条結衣を睨みつけながら、歯を食いしばって言った:

「九条結衣、調子に乗るんじゃないわよ。あなたはもう父親に九条家から追い出されたでしょう。何の権利があってここで威張り散らしているの」

彼女からすれば、九条家は九条政のものであり、あの老人も九条政の顔色を伺わなければならない。家から追い出された娘が、どうして彼女の邪魔をする権利があるというのか。

今は九条結衣に手出しはできないが、政さんの縄張りで好き勝手させるわけにもいかない。

木村富子の取り乱した様子とは対照的に、九条結衣は終始冷静で落ち着いた態度を保ち、カップのコーヒーを軽く一口すすり、そっと置いた。

椅子から立ち上がり、ゆっくりと木村富子の前まで歩み寄った。

彼女は木村富子より頭一つ分背が高く、このように近距離で立つと、見下ろすような姿勢に、木村富子は怖くなって大きく後ずさりした。

以前九条結衣に指を折られたことを思い出し、木村富子は恐怖で顔が青ざめた。

「他人の巣に居座って偉そうにしているけど、おじいさまがいない間に、その場所を汚すなんて。鏡を見て自分がふさわしいかどうか考えたらどう?」

木村富子は九条結衣のこの容赦ない侮辱的な言葉に、息が詰まりそうになった。

そばで既に九条結衣を殺したいほど憎んでいた木村靖子は、実の母がこのような状態になるのを見て、さらに怒りが込み上げてきた。

急いで木村富子を支えながら、険しい目つきで九条結衣を見て言った:

「九条結衣、あなたは今や株式も父に売り渡して、九条グループにもう関係ないでしょう。九条家だってそう。ここに居座っていても、父があなたを追い出さないと思っているの?この家は父のものよ。ここにいる資格がないのはあなたの方よ!」

木村靖子の言葉が終わるや否や、九条結衣はプッと笑い出した。