372.知能に影響が出るのが怖い

黒崎弁護士は九条結衣の母親である小林静香の専属弁護士で、商事法務関連の書類などは全て黒崎弁護士を通して処理されていた。

「九条さん、お気遣いなく」

九条結衣が黒崎弁護士と共に中へ入ろうとした時、もう一台の黒い長距離リムジンがカフェの前に停車した。

車から降りてきたのは、九条政と彼の代理人弁護士の他に、なんと木村富子母娘だった。

彼女を見た時、三人とも顔色が悪く、彼女を見る目つきは、まるで彼女を食い殺したいかのように歯ぎしりしていた。

彼らの態度に、九条結衣は全く動じる様子もなく、冷笑を浮かべながら先にカフェの中へ入っていった。彼女から自然と放たれるオーラは、九条政たちを圧倒するほどだった。

彼女の後ろを付いていく九条政たち三人は、九条結衣に気迫で負けていることを感じ、心中では非常に不満だった。