442.子供を扇動する

小さな子がようやく自分に反応してくれたのを見て、藤堂澄人は胸をなでおろし、何かを思い出したような表情を浮かべた。

「そうか、オプティマスだったんだね。初はすごいね。メガトロンも作れる?」

メガトロンは映画『トランスフォーマー』に登場する最強の敵役で、その姿は凶暴で複雑な造形をしていた。

藤堂澄人にそう聞かれ、初は即座に首を振った。「作れない」

声はまだ沈んでいた。

「パパは作れるよ。パパが初に教えてあげようか?」

初の瞳が一瞬輝くのが見えた。涙はまだ頬に残っていたが、先ほどのような沈んだ様子ではなくなっていた。

大きな瞳が輝きながら彼を見つめ、その奥には期待の色が浮かんでいた。

「いい?」

藤堂澄人は期待を込めてもう一度尋ねた。

「うん」

こうして、藤堂澄人は初を膝の上に抱き、真剣に「メガトロン」を組み立て始めた。