472.近寄り難き存在

藤堂グループとの協力のチャンスが増えると聞いて、金田会長の目が一気に輝いた。

藤堂澄人の機嫌を取れば、他人が夢にも見られないようなチャンスが手に入る。彼は迷わず承諾した。

石川の両親は藤堂澄人のその言葉を聞いて、顔色が一変した。

彼らがここまで頭を下げているのに、藤堂澄人は少しの面子も立ててくれない。

こうなるなら、なぜ彼らはこんなにへりくだって機嫌を取る必要があるのか?

特に石川のお母さんは、自分の息子が九条初に怪我をさせられたことで、すでに我慢の限界だった。もし彼が藤堂澄人の息子だと知らなければ、今朝来たときには、すでに仕返しをしていただろう。

「藤堂さん、私たちはただの冗談のつもりでしたが、あなたは少し行き過ぎではないでしょうか。うちの息子があなたの息子に殴られても、私たちは追及しませんでした...」