指に残った繊細な感触に、藤堂澄人は思わず指を丸めた。
九条結衣が彼を褒めた言葉や、屋上で彼の上に跨って座り、全身を熱くさせた姿を密かに思い返すと、藤堂澄人は口の中が乾いていくのを感じた。
下腹部も熱くなり、ある部分が徐々に膨らみ、再び元気を取り戻そうとしていた。
今後は絶対にこの小悪魔に酒を飲ませてはいけない。他人が飲むのはお金がかかるが、彼女が飲むと命取りになる。しかも「アイツ」の命を狙っているのだ。
優しい攻めは、彼を無形の内に殺す。
九条結衣は彼の相手をする気はなかった。この男は構えば構うほど調子に乗るし、今の彼女は本当に腹が減っていた。藤堂澄人が作ったこの麺は、見た目は単純だが、味はミシュランの料理人に匹敵するほどで、食欲を完全に刺激された。
すぐに、目の前の大きな海鮮麺は全て平らげられ、器のスープまで残さなかった。