512.愛ゆえの叱責

彼女の前に歩み寄り、しっかりと包まれた首を見つめながら、昨夜の自分の傑作を思い出し、藤堂澄人の目の奥に、満足感と少しの得意げな表情が浮かんだ。

「もう少し寝ていれば?」

昨夜のことを思い出し、目の前のこの獣のような男の際限のない求めに、今は相手にしたくもなく、彼に鋭い視線を向けた後、「喉が渇いた」と言った。

声を出すと、ひどく嗄れていた。

昨夜の叫び声が……

最初は歯を食いしばって、声を出さないように我慢できていたのに、後半になると、この人は……本当に我慢の限界を超えさせた!

この極端に嗄れた声に、九条結衣は再び否応なく昨夜のことを思い出し、顔色がさらに暗くなった。

藤堂澄人も彼女の非常に嗄れた声に気付き、昨夜のことを思い出して、眉目が柔らかくなった。九条結衣の険しい顔色に向かって、優しく言った: