これらのイベントは子供の参加能力を考慮して設計されているため、保護者にとってはそれほど難しくありません。
「今日の競技会は、たくさんの種目に分かれて行われます。各種目で勝利したチームにはメダルが授与され、金メダルを最も多く獲得したファミリーが、最終的な総合優勝の金メダルを獲得できます。メダルにはお子様の名前も刻まれますので、お父様お母様とお子様たち、頑張ってくださいね。」
運動会を担当する先生が運動場の演台に立ち、マイクを手に熱く宣言しました。
「では、第一種目を始めます。二人三脚です。お子様とママで一緒に参加していただき、ゴールの到着順に金・銀・銅のメダルを授与します。」
藤堂澄人は、この機会に息子ともっと親密になりたいと思っていたので、ルールがお子様とママの参加と聞いて、少し不機嫌になりました。
不満げに口を開きました。「なぜパパと子供じゃないんだ?」
隣でこんな子供じみた不満を聞いた九条結衣は、彼を見上げて提案しました。「じゃあ、性転換でもする?」
藤堂澄人:「……」
「だめだ、息子のために妻の性福を犠牲にはできない。」
藤堂澄人は九条結衣を見つめ、真面目な顔で言いました。
最初、九条結衣は藤堂澄人の「性福」という言葉の意味が分かりませんでしたが、彼の目に浮かぶ意地悪な笑みを見て、すぐに理解しました。
何度か深呼吸をして、やっとその下品な口を引き裂きたい衝動を抑えました。
彼を睨みつけた後、息子の手を引いて前に進み、しゃがんで自分と九条初の足を結びました。
藤堂澄人は母子の後ろについて、心配そうに注意を促しました。「気をつけろよ、転ばないように。」
「うん。」
九条結衣は適当に返事をし、息子の手を握って、真剣な面持ちで待機しました。
これが息子との初めての運動会で、息子を失望させたくないという気持ちから、自然と勝負への意欲が湧き上がってきました。
藤堂澄人は再び九条初の前にしゃがみ、小さな頭を撫でながら真剣な表情で言いました。「絶対に気をつけて転ばないようにするんだぞ、分かった?」
「分かったよ、パパ。心配しないで、僕すごく上手だから。」
「パパが心配してるのは君じゃない、転んでママを巻き込まないかってことだ。」
周りの人々:「……」
くそっ!
この恋愛アピール、まったく予想外だった。