481.奥さんと一緒に頑張ろう

この問題は大したことないように聞こえるが、子供との時間を失った藤堂澄人にとって、心の中は複雑な思いだった。

向かい側に立つ息子を見つめると、その喜びに満ちた表情が彼の目を刺すようだった。

母親のお腹の中で成長し、生まれてから今の三歳になるまで、本来なら彼はずっと側にいるべきだった。

息子の三年間の成長を見逃したことは、彼の人生で永遠に取り戻せない後悔となった。

目の奥の暗さを隠し、珍しく機嫌よく丁寧に答えた。「息子が喜んでいるので、私もこの機会に一緒に参加できて嬉しいです。息子を失望させないよう、今日は優勝を勝ち取ってきます。」

彼が話している間、ずっと九条結衣を見つめていたので、普段の正式なテレビインタビューの時のような高慢な態度ではなかった。

彼のこの答えに、他の人は仕事が忙しくて息子と過ごす時間がないから、この機会を得て喜んでいるのだと思っただけだった。